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混群との出会い

冬の森を歩く楽しみのひとつが、カラ類の混群との出会いです。先行するエナガの群れにコガラやシジュウカラの群れが付き従い、さらにゴジュウカラやヒガラ、ヤマガラ、コゲラ、キバシリなどが追いかけていきます。群れの接近を静かに待っていると、小鳥たちが鳴き交わしながら次から次へと姿を現し、自分のすぐ近くを通り過ぎていきます。周囲を小鳥に囲まれる、ささやかな至福の時間です。

彼らはなぜ、他の種類の小鳥たちと一緒に群れを作るのでしょうか?それには2つの理由が考えられています。まずは周囲を見張る目を増やし、タカなどの天敵をいち早く見つけて身を守るため。そして他種の行動を観察し、自分では見つけられない食べ物を見つけるためだと言われています。そう、よく似た森の小鳥たちですが、食べ物を探す場所や作法は、種類によって少しずつ違っているのです。

先日遭遇した混群では、ゴジュウカラとコガラの写真を撮ることができました。上の写真がゴジュウカラです。ゴジュウカラは垂直の木の幹に頭を下にして止まることができる変わった鳥で、樹皮の隙間に隠れる虫や、幹の割れ目に隠した種子をさがして木を登り降りします。枯れ枝を食べ物を探しながら登ってきて、枝先で「次はどうしようかな?」と立ち止まっているところを撮影しました。

 

コガラ

 

コガラは枝にぶら下がって虫を探したり、木や草の種子を食べることが多い小鳥です。小さく軽い体と、その割にがっしりした足指や爪は、枝先にぶら下がるのにも都合よくできています。でももちろん、常にぶら下がっている訳ではありません。この時はゴジュウカラやキツツキのように木の幹に止まって、食べ物を探していました。まさにゴジュウカラの行動を真似しているのかもしれませんね。

これらの写真を撮影した混群には、他にエナガとシジュウカラ、ヒガラ、ヤマガラ、コゲラが参加していました。しかし混群は、メンバーが常に決まっているわけではありません。移動とともに群れを離れるものや加わるものがいて、夜になればそれぞれバラバラのねぐらにつくのです。毎日のように離合集散を繰り返す、混群はとても自由でユルい集団なのです。

大塚

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