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下を向いて歩こう?

3月6日、環境省から任命されている鳥獣保護区管理員として、野鳥の森の遊歩道を巡回しました。月に2〜4回、遊歩道や休憩所に破損や危険箇所がないか確認しながら、落ちているゴミを拾います。落ちているのは飴やガムの包み、タバコの吸い殻などが主ですが、総じてゴミは少ないですね。皆様、いつも綺麗にご利用いただき、ありがとうございます。

さて、そんな理由で、主に下を向いて歩いているわけですが、地面にはゴミ以外にも、様々な落し物があります。食痕だったり、糞だったり、この日はフクロウの羽毛を見つけました(上の写真)。どんぐり池の岸辺に打ち上げられていましたよ。先日からヤマアカガエルの産卵が始まっているので、フクロウもヤマアカガエルを狙って、どんぐり池を訪れているのでしょう。

視線は下を向いていても、耳は常に周囲の鳥の声に注意を払っています。「チッ」という短い声に顔を上げると、草むらから小鳥が飛び立ちました。止まった枝に双眼鏡を向けると、黄色い顔が見えます。冬鳥のミヤマホオジロです。枯れススキの隙間から、なんとか撮影できました。

 

ミヤマホオジロ♂

 

小瀬林道に降りてくると、今度は小声で「チリリッ」と鳴きながら、4羽ほどの茶色い小鳥が飛び立ちました。冬になると高山帯から低地に降りてくるカヤクグリです。

 

カヤクグリ

 

写真はフジのツルが伸び放題になった薮の中ですが、こんなごちゃごちゃした所に潜り込んでいることが多い小鳥です。「萱潜(かやくぐり)」と呼ばれるだけありますね。

下を向いて歩くのには少し問題もあります。それは私が小鳥の声に気づいた時、すでに小鳥は私を発見して警戒し、「逃げ」の態勢になっていることです。少し引いて待っていれば、小鳥の警戒心が薄れてもっと接近できることもあるのですが、大抵は時間の制約があり、とりあえず撮ってさようなら。これではなかなか良い写真は撮れませんね。

さて、県内ではすでにコハクチョウの北帰行が始まっています。この冬はアトリが目立ちましたが、他の冬鳥は少なめで、人気のオオマシコやヒレンジャクは一度も見られませんでした。これからの季節、これらの小鳥たちも、北に帰る渡りの途中で野鳥の森に立ち寄ってくれると良いですね。

大塚

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