ACCESS

本格的なベアドッグ訓練を開始!!

ベアドッグ候補生のレラとエルフも1歳になり、そして、いよいよ春到来です。

そろそろクマも冬ごもりから目覚め、動き始める季節となりました。

 

2頭は、生後3ヶ月頃から日々、人間社会で安定したお仕事をしていくための人や物、犬への社会化、様々な人間活動が行われている空間への訓化、Basic Commands(基本的な号令)の習得に力を入れてきました。

 

そして、いよいよこれからがベアドッグとしての訓練の本番!

フィールド訓練を本格化させ、レベルアップを図ります。

 

訓練の内容によっては人手(母犬のタマも含めて…)が必要なものもあり、最初の写真のようにインターンの方にサポート頂くこともあります

 

最近、レラとエルフが取り組んでいるのが、クマに強く興味を持つ(クマへの欲付け)ための訓練です。

 

これはクマの毛皮をかじらせているときの写真です。

ぶっつけ本番で、いきなりクマの臭いを探索させたり、生きたクマを追いかけさせるようなことはしません。まずはクマに強い興味を持たせて、彼らの中でクマが特別な存在へ、そして、クマの仕事が好きになり、自信をもって臨めるように導いていきます。

 

しっかりクマの臭いを覚えさせ、そのあとは実践を意識した訓練フィールド(臭いの量や残し方、捜索距離や時刻、天候、環境など)を作り、少しずつ難易度を上げながら、臭い捜索を上達させていきます。

 

そして、花火などの爆発音にも動じない(爆発音への脱感作)ための訓練です。

これは花火訓練の模様で、射手がロケット花火を撃っています。

クマ対策の現場ではしばしば大型の花火や銃砲を使用するので、この訓練は必須です。しかし、いきなり犬たちに間近で大型の花火や銃声を聞かせる訳ではありません。そのような荒療法を焦って行うと、その後、爆発音に大きな恐れを持ってしまいます。

 

訓練の質(爆音の大きさや、爆音との距離、犬も含めた訓練に関わる人数など)を少しずつ変化させながら、最終的には、間近で大型花火が爆発しても落ち着いて居られるようにしていきます。

 

ベアドッグを育成する上で、私がいつも心掛けていることがあります。

 

それは「少しずつ、着実に階段を上らせる」ことです。

 

そのためには、すごく時間がかかりますし、コツコツがんばる必要があります。「適性テストを受けて、素質があることがわかっているのだから、そんな面倒くさい、時間がかかることしなくても…」と思われるかもしれません。しかし、素質を引き出すためには、犬という動物の本来の性質を理解しながら、私たち人間の考えや都合ではなく、犬に合わせたやり方で導いてあげる必要があります。それらを無視して、やみくもに焦って訓練を行うと、目標に到達する前に、大抵は犬たちが恐怖や挫折感を味わい、結局、望ましい状態に戻すためにさらなる時間がかかります。

 

目標を達成するための近道はないのです。そのためには少しずつ着実に階段を上らせること。それが一番だと思います。これは私たち人間にも言える格言かもしれませんね。

 

レラとエルフが少しでも早く独り立ちできるように、日々の小さな努力を着実に積み上げていきたいと思います。

 

田中