雨が上がり、すっかり初夏の景色になった森の中を、あるメスグマの冬眠穴に向かって歩きます。一雨ごとに緑が濃くなるというのは、大げさではなく本当ですね。青空が広がってくるのを待っていたかのように、エゾハルゼミが鳴き始めました。
センサーカメラを確認すると、このメスグマは写真の木の根と岩の隙間から出たり入ったりしており、5月21日の時点でまだ穴の中にいることがわかりました。子グマは撮影されておらず、24才という年齢から考えても、出産した可能性は低いとみられます。この場所から動かなくなったのが昨年の11月19日ですから、すでに半年の間、穴を拠点にして生活していることになります。
冬眠穴が見える斜面で記念撮影をして、この日は撤収することにしました。
・・・とここまでは順調だったのですが、何か足に違和感が・・・
ヤマビルでした。5人で合計10匹以上がついていました。
軽井沢野鳥の森ではまだ確認例がないものの、お隣の碓氷の山中では、夏の風物詩?といえるほどの数がみられます。痛みやかゆみはそれほどなく、実害はほとんどないのですが、血を吸われると、出血が止まらなくなるので困ります。また、首を振りながら尺取り虫のように這う姿や、吸血して膨らんでいる姿を見るのは気持ちよくありません。
ヤマビルの生息地では、長い靴下を履き、ズボンの裾を絞るなどして、皮膚の露出をなくす必要があります。長靴がおすすめです。身体に付いたヤマビルは手で引きはがそうとすると皮膚が傷つきかねないので、市販の虫よけや、アルコール、濃度の高い塩水をかけてポロリと落とすのがよいでしょう。ヤマビル対策用の市販のスプレーや、濃度を高めた塩水を靴下などにかけることは予防対策になります。
雨上がりの森は木々の葉のしずくが青空に輝き、とても気持ちの良いものですが、湿気を好むヤマビルにとってもそれは同じです。足元に気を付けましょう。
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玉谷