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落とさない「落とし文」

軽井沢野鳥の森の「ミソサザイの沢」周辺には、ケヤキが植林された区域があり、今は新緑に明るい木肌が映えてとても美しい景色となっています。その沢沿いに芽生えたケヤキの稚樹に、オトシブミの揺籃を見つけました。

オトシブミの仲間には、揺籃を枝から切り落とすものと、枝に付けたままにするものがいます。この揺籃は誰が作ったのもでしょうか?周囲を探すと、揺籃を作成中のペアを見つけました。

 

ルイスアシナガオトシブミのペア

 

体が赤い「ルイスアシナガオトシブミ」です。写真は上がオスで下がメス。揺籃を巻いているメスを、オスがガードしているのです。オスは他のオスがメスに近付くと、長く伸びた前脚で追い払います。

 

ルイスアシナガオトシブミ♀

 

メスの前脚は短いですが、力こぶのように太くなっています。自分の体よりも大きな葉を巻くのですから、力が強い必要があるのでしょうね。葉を少し巻いたところで、その中に卵をひとつ産みつけます。さらに葉を巻いていくのですが、ガードしているオスは何処かへ歩いて行ってしまいました。産卵を終えれば、もうメスを他のオスからガードする必要がないからでしょう。

 

 

葉を巻き終わり、揺籃が完成しました。このルイスアシナガオトシブミ、揺籃を切り落としたり、切り落とさなかったりするのですが、周囲に枝に付いたままの揺籃がいくつもあることから、このメスはどうも揺籃を落とさないようです。逆に「揺籃を必ず落とすメス」というのもいるのでしょうか?落とすか落とさないかが「個性」だとすると面白いですね。

ルイスアシナガオトシブミは、ハルニレの葉でも揺籃を作ります。今の季節、ハルニレテラスに落ちている「落とし文」もこの種類です。きっと頭上高いところには、落ちていない「落とし文」もたくさんあるのでしょう。

大塚

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