林の中の岩場で冬眠したクマが活動を始めたので、3月に設置したセンサーカメラを回収しに行くことにしました。前回はまだ冬景色でしたが、今回は田んぼに水が張られ、すっかり初夏の風景になっていました。
地面から数メートル上に穴があると予想していましたので、ピッキオきってのクライマー、小沼に応援を要請しました。
しかし、登った先で見たものは、クマが寝るにはやや狭い空間でした。そこに滞在していた気配もありません。
この岩の裂け目の前に仕掛けていた2台のセンサーカメラにも、クマは写っていませんでした。ただ、3月に受信した発信器の電波によると、この岩場のどこかで冬眠していたことは間違いないので、可能性のありそうな場所を再度、探してみることにしました。
裂け目の斜め上方に、登れそうな場所を見つけました。岩に背中を押しあてながら、何とか登っていきます。
登った先に、小部屋のような、岩床の平らな空間がありました。
外からは、古墳の石室のように見えます。入って右側に空間が広がっていました。
入口から奥までは237cmあり、天井の高さは200cmに達するところもありました。クマが寝ていた窪みの近くには糞が残されていました。
天井の隙間からは新緑が見えました。外界と隔離されていて、修行の場や独房を思い起こさせるような空間でもありましたが、冬眠場所としては申し分のない物件のように思われます。ずっと昔から、クマたちに使われてきたのではないでしょうか。
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玉谷