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ベアドッグ候補生とケンネルスタッフ

いよいよクマも活発に動く季節になりました。

昨年は出産と育児で出遅れたタマも、今年はクマの追い払いの最前線に日々繰り出しています。6月に入ってから、クマを追い払うことも増えてきました。タマも別荘地付近に出てきているクマを見つけ出しては、大きな声で吠えながら山間部まで追い立てています。

 

一方で、ベアドッグ候補生のレラ、エルフですが、体の大きさはもうすっかり母親とほぼ同じくらいに成長しています(上写真:左からタマ、レラ、エルフ)。

 

もちろん、体だけではありません。早くクマ対策の最前線で活躍できるように、日々の実践訓練を重ね、精神面や能力面でも成長してきました。

 

日々の訓練には、クマに対する勇敢な姿勢を見せるために、母親のタマはもちろんのこと、私の片腕としてがんばってくれているケンネルスタッフ(ベアドッグ育成サポート担当)の武内も参加します。

彼女はレラやエルフが生後3か月の頃から育成を手助けしてくれています。彼女の主な仕事は、日々のベアドッグの飼育管理やお散歩はもちろん、子犬たちが立派な使役犬になるためのさまざまなしつけや訓練のサポートです。

将来、子犬たちが使役犬として安定した仕事をこなすためには、その成長の過程で幾多の困難を乗り越えなくてはなりません。ハンドラー(飼育兼訓練士)やケンネルスタッフはそんなときに子犬たちのそばにいて励ましながら困難を乗り越えさせてあげる、そんな存在なのです。そして、困難を共に乗り越える過程において、お互いの中に信頼関係や協調性が芽生え、さらなる難しい局面に差し掛かっても一緒にいることで打開していけるようになります。

今、まさにレラとエルフは、生まれて初めて生きたクマと対峙しながら、難しい訓練課題を1つ1つ乗り越えている最中で、母親のタマとケンネルスタッフは必要不可欠な存在です。

去る6月8日。レラとエルフは、タマや私、ケンネルスタッフと一緒なら、至近距離で銃声のような爆発音を聞きながらでも怯えず、さらに目の前にいる生きたクマを吠えながら追いかけられるレベルまで来ました。

実はこれまで私が育成に関わったベアドッグの中で、この段階に到達するスピードは最速です。初代ベアドッグのブレットも、現在活躍するタマやナヌックも、1歳になりたての頃は同じことはできませんでした。

1歳になって間もないレラとエルフのクマに果敢に吠えかかる姿からは、ベアドッグとしての2頭のポテンシャルの高さを感じる一方、やはり母犬やケンネルスタッフが子犬たちに与えている勇気も大きいのではないかと感じています。

もっともっと新たな訓練や経験を積まなくては、ベアドッグとしての独り立ちはできませんが、ひとまずこのレベルまでレラとエルフを導いてくることができたことに安堵すると共に、今回は私一人ではなく、若い世代をケンネルスタッフとして育成しながらたどり着けたことに、二重の喜びを感じています。

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田中