梅雨時の花々
梅雨の晴れ間の6月19日。エゾハルゼミの大合唱の中、鳥獣保護区管理員の業務として、軽井沢野鳥の森の遊歩道を巡回しました。その時に開花を確認した植物は、以下の通りです。
木の花:ノイバラ、ミズキ、ヤブデマリ、マユミ、ニシキウツギ、コゴメウツギ(見つけた順)
草の花:シロツメクサ、ヒメヘビイチゴ、カルイザワテンナンショウ、マムシグサの仲間、フタリシズカ、クルマムグラ、ヤエムグラ属の一種、ヘビイチゴ、ムラサキケマン、オニタビラコ、サワギク、イガホオズキ、タニギキョウ、ヤマハタザオ、ウワバミソウ、ウマノミツバ、トチバニンジン、ルリソウ、ミゾホオズキ、オオバタネツケバナ、ムラサキツメクサ、セイヨウタンポポ(見つけた順)
ムラサキケマンやルリソウなど、春の花がわずかに咲き残っていましたが、それもほとんど終わろうとしています。夏の花が咲き始めるまでは、しばらく花が少ない季節です。なぜなら今は梅雨。天気が悪く、気温も低くなると、花粉を運んでくれる虫たちの活動が制限されてしまうのです。
しかし、花が少ないという事は、虫をめぐる競争相手も少ないという事です。ですから、あえて梅雨の時期に咲いている花も、もちろんあるのです。そして梅雨の季節は、薄暗い森の中でも目立つように、上の写真のヤブデマリやこのノイバラのように、白い花が多いのも特徴です。
また、花の種類が少ないので、小さく地味な花にも目が止まります。花弁を持たないフタリシズカ。白いのは花糸(おしべの柄)だそうです。この花には一体どんな虫が訪れるのでしょうか?
高させいぜい10センチ。花も1センチ程しかないタニギキョウ。
そして2〜3ミリほどの小さな花を付けるムグラの仲間。毎年、同定に迷うのですが、今年も結局、手元の図鑑では種類が判りませんでした。
さらに地味な緑色の花。トチバニンジン。
黄色い花も、暗い森で目立ちます。梅雨に咲く小さな野菊、サワギク。
小瀬林道沿いの溝に生えるミゾホオズキ。他に黄色い花では、ヒメヘビイチゴが目立ちます。
紫や赤系の花が少ないのが寂しいですが、それも一時期の事。梅雨が明ける頃になると、一気に夏の花が咲き始めます。それまでは、ひっそりと咲く花たちを探して、目を凝らしながら森をゆっくり歩いてみましょう。
大塚