前回に引き続き、7月31日に確認・撮影した花を紹介しましょう。まず1枚目はツリフネソウ。舟が吊ってあるようだと名付けられました。後方に伸びて、先端がくるくるしている「距(きょ)」に蜜がたまり、トラマルハナバチなどが入り口から潜り込んで蜜を吸うと、入り口の天井から下がっているシベに背中が触れて、花粉が運ばれるという巧妙な仕組みを持っています。
シデシャジン
シデシャジンの花も咲き始めました。細い花弁がねじれながら反り返るのが特徴で、そこから名前に「シデ(四手:しめ縄などにぶら下がっている白いギザギザの紙)」が付いたそうです。左の花は咲く直前で、これも面白い形ですね。「シャジン」は「沙参」で、ツリガネニンジンの生薬名だそうです。
ハエドクソウ
ハエドクソウも、あちらこちらで目に付きます。これは文字通り「蠅毒草」で、有毒成分がハエ取り紙を作るのに利用されたそうです。
ミヤマタニソバ
葉っぱの形が特徴的なミヤマタニソバですが、花はとても小さくて、一見すると咲いているのかよくわかりません。しかし拡大してみると、とても美しい姿をしています。問題は、花の形がわかるまで拡大すると、今度は葉の形がわからないことですね。
ミツモトソウ
ミツモトソウは花だけを見ると、春先に咲くキジムシロやミツバツチグリ、ヘビイチゴなどとそっくりです。しかし、周囲の草の成長に合わせて、茎を長く伸ばして咲く姿は、地面に這いつくばっている春先の花とは違います。いっぽう夏は夏で、他にも似たような黄色い花が咲き競っているので紛らわしいかもしれません。
ダイコンソウ(左下)とキツネノボタン(右上)
「今、野鳥の森で咲いている小さな黄色い花」といえば、ミツモトソウとこのダイコンソウ、そしてキツネノボタンです。ぱっと見はよく似ていますが、近づいてよく見ればそれぞれちゃんと違うのです。
大塚