9月上旬は、軽井沢野鳥の森で、1年の間に最も花の種類が多くなる季節です。その中でも一気に目立つようになる花が、上の写真の「シラネセンキュウ」です。人の背丈ほどまで高くなりますが、同じセリ科のシシウドよりも全体に細く、繊細な感じがする植物です。
たくさんの白い小さな花が円盤状に集まった「複散形花序」をつけて咲きますが、面白いのはその成長過程です。苞に包まれていた花序が伸びて姿をあらわすと、狭いところにぎっちりと詰め込まれて圧縮されたような見た目から、どうしてもコンビーフやオイルサーディンを連想してしまいます。それが次第にほぐれて、レースのような繊細な姿に変わるのです。
ちょっとほぐれてきたつぼみ
去る9月4日、軽井沢野鳥の森の遊歩道を巡回した際に、開花を確認した植物をご紹介しましょう。
草の花:ノブキ、キツネノボタン、ダイコンソウ、ミズヒキ、クサコアカソ、ミゾソバ、ハエドクソウ、ツリフネソウ、イヌトウバナ、オトコエシ、ムカゴイラクサ、ミヤマタニソバ、イタドリ、ヒメジョオン、オタカラコウ、イヌタデ、シラネセンキュウ、ユウガギク、ゴマナ、ツユクサ、トネアザミ、ハナタデ、ソバナ、シロヨメナ、ミヤマヤブタバコ、キオン、シラヤマギク、ヒヨドリバナ、キンミズヒキ、ヤマニガナ、ヌスビトハギ、ミズタマソウ、シデシャジン、ユウガギク、ススキ、オミナエシ、ヨモギ、ゲンノショウコ、ノコンギク、フシグロセンノウ、ヤマウド、メマツヨイグサ、サラシナショウマ、ハンゴンソウ、ヤマゼリ、シシウド、クサボタン、キツリフネ、カワミドリ、ミツバフウロ、キバナアキギリ、モミジガサ、ヤマハッカ、クルマバナ、ナンテンハギ、セキヤノアキチョウジ、シロツメクサ、ムラサキツメクサ、ヤブマメ、ミツモトソウ、オオブタクサ、コバギボウシ(見つけた順)
木の花:ヤマハギ、タラノキ
夏の花がまだ咲き残っているところに加え、秋の花が次々と咲き始めることで、1年で最も花の種類が多くなります。
ユウガギク
野菊の仲間も花盛りです。ユウガギクは「柚香菊」と書き、ユズの香りがすることから名付けられたとされていますが、嗅いでみてもちっとも匂いが判りません。
ゲンノショウコ
8月に入ってから咲き始め、まだ咲き続けています。「現の証拠によく効く」薬草だそうです。
大塚