数日間、ぐずついた天気で寒さが続いていた9月23日、台風17号が日本海を東進し、南風が入り込みました。すると軽井沢では午後から急に天気が良くなり、気温が上昇。トンボたちも活発になり、ケラ池に続々と集まってきました。目立つのは真っ赤な腹部が目立つマユタテアカネ(1枚目の写真)。顔に黒い眉斑と呼ばれる模様があるのが特徴です。
リスアカネ
日当たりの良い場所になわばりを張ったリスアカネのオスは、日差しの強さにたまらず腹部を持ち上げました。この逆立ち姿勢、トンボ科の一部によく見られる行動で、体に当たる日射量を調整して、体温が上がりすぎるのを防いでいるのだと言われています。
タカネトンボ
一方で写真のタカネトンボのオスは、陽が当たる枯葉にぶら下がって一休みです。水辺をパトロール中には滅多に止まらないタカネトンボ。夏にはまず見られない姿です。日差しが強く暑くなったと言っても、夏のトンボであるタカネトンボにとっては、日向ぼっこしたいほど涼しいのでしょうか?
オオルリボシヤンマ
水面に浮いたトチノキの落ち葉に、オオルリボシヤンマのメスが産卵していました。植物組織内に産み付けられた卵は、そのまま冬を越して翌春に孵化し、生まれたヤゴは1〜3年かけて成長するそうです。軽井沢では何年で成虫になるのでしょうね?
オオアオイトトンボ
8月にケラ池で盛んに羽化していたオオアオイトトンボが、森の中から再びケラ池に戻ってきました。午後になるとあちこちでペアが成立し、交尾する姿がみられます。そして夕方近くになると、連結したまま水面上に張り出した木の枝に飛んで行き、枝の中に産卵管を差し込んで産卵します。卵はそのまま冬を越して翌春に孵化し、水面に落下するそうです。冬、スケートを滑っている頭上の木の枝で、実はトンボの卵が眠りについているという訳です。
大塚