11月も後半となり、遅れていた軽井沢の紅葉も、さすがに残り少なくなってきました。軽井沢野鳥の森にあるモミジを見ていると、早々に色付いて葉を落とす木、遅くなってから真紅に色付く木と、個体差を感じます。今は遅くに色付くモミジがまだ葉を残し、もうちょっと紅葉を楽しめそうです。
日中ポカポカと暖かかった18日、野鳥の森の遊歩道を歩くと、昆虫の姿をいくつか見つけることができました。
キタテハ
久しぶりに、チョウが飛んでいるのを見つけました。そっと近付くと、翅がずいぶん破れてボロボロになったキタテハでした。キタテハは成虫で冬を越し、来春に再び飛び回ります。春に綺麗な姿で飛んでいる個体もいるのですが、この子は今からこんなにボロボロになっていて、無事に冬を越せるのでしょうか?
アオフキバッタの交尾
日当たりの良い落ち葉の上で、「パサッ」と何かが跳ねる音がします。見ると何匹かのアオフキバッタがいました。交尾中のペアもいましたよ。彼らは秋の深まりと共に死に絶え、産み残された卵だけが冬を生き延びます。
ホソミオツネントンボ♀
枯草色のイトトンボが、目の前を横切って枝に止まり、腹部を上下に動かしました。ホソミオツネントンボです。漢字で書くと「細身越年蜻蛉」。日本に3種類しかいない、成虫越冬するトンボのひとつです。他の地域では、枝先に止まったまま越冬する様子が観察されているようですが、寒い軽井沢ではどうしているのでしょうね。春になると美しい青い色に変身して、ケラ池にやってきます。
アキアカネ♀
数日前までは何匹も見たアキアカネですが、一気に少なくなり、この日は2匹しか見られませんでした。写真を撮らせてくれたのは、ケラ池の近くにいたメス。翅もずいぶん破れています。ケラ池ではアキアカネの産卵を観察していません。水田の浅い水たまりなどが産卵場所で、卵は泥の中で冬を越します。彼女も恐らく、どこかの水田に卵を産み残して、ここにたどり着いたのでしょう。
今年の秋は暖かいと思っていましたが、昆虫の姿がめっきり少なくなってきました。今年はあと何回、彼らに出会えるでしょうか? 冬はもうすぐそこです。
大塚