軽井沢野鳥の森に入ってしばらく歩いていくと、森のほぼ中央部に森が切り開かれた場所があります。ここは20年ほど前、植林されていたカラマツを伐採して作られました。その後、樹木が生育しては伐採するを繰り返し、草地に低木が入り混じった環境になっています。
アカゲラ休憩所から見ると、ちょうどこの草地の向こうに浅間山が望めるので、野鳥の森随一のビュースポットとして知られています。もう一つの目的は、開けた環境を好む野鳥を呼ぶことにあります。実際に、ここでは春にノジコのさえずりが響いていますし、冬にベニマシコが滞在しているのは、先日の記事で紹介した通りです。そしてこの場所を1年を通して利用しているのが、今回の主人公「ホオジロ」です。
ホオジロは主に小さな草の種子を食べる小鳥です。枯れ草に紛れる茶色い姿で地面に舞い降り、落ちている小さな種子をついばんでいることが多いです。もちろん、枯草に登って草に残っている種子を直接ついばむこともあるのですが、先日はススキの穂から種子を食べていました。
ススキの穂から種子を食べるホオジロ
立ち枯れたススキの茎にホオジロが飛び乗ると、その体重でススキは垂れ下がります。するとホオジロは茎を伝って穂先に乗り移り、穂を1本づつ口にくわえて、しごくようにして種子を食べていきます。
穂を1本口にくわえて
先の方へとしごきながら種子を食べます
モグモグモグ・・・
上手に食べますね。
ここにはススキやヨモギなどの草の種子だけでなく、タラノキやヌルデ、スイカズラなどの木の実もあります。ホオジロやベニマシコだけでなく、様々な野鳥が訪れますので、気長に待っていると、他の野鳥の食事風景も観察することができるかもしれませんよ。
大塚