「けもの道ウォーキング」でニホンカモシカに遭遇
先日、1月17日の「けもの道ウォーキング」で、ニホンカモシカに出会いました。
このツアーでは、森の中の道無き道に分け入って、動物の痕跡を探しながら歩きます。当日はうっすら新雪が積もってから2日後。雪の上には真新しい動物たちの足跡が残されていました。
小さな小さな足跡は、野ネズミです。足跡の間に残されたラインは、しっぽの跡。これがネズミの足跡を見分ける決め手です。森に暮らすのは主に「アカネズミ」と「ヒメネズミ」ですが、どちらも寒い冬でも活動して、夜には雪の上を跳ね回っているようです。
「けんけんぱっ」と付いているのはノウサギの足跡です。実際にけんけんぱしている訳では、もちろんありません。「けんけん」部分が前足、「ぱっ」部分がうしろ足の足跡です。歩いているウサギは、常に跳び箱を跳ぶように、前足で踏んだ場所より前方にうしろ足を着地させるのです。足跡をたどると、立ち止まってキイチゴ類の枝をかじった跡も残されていました。
他にもキツネやタヌキ、ニホンリス、イノシシなどの足跡を見つけましたよ。ニホンジカやニホンカモシカの足跡もありましたが、これらは足跡だけでは識別が難しいです。
足跡以外にも、秋にクリの木に登って実を食べたツキノワグマの「熊棚」や爪痕、ニホンカモシカの糞など、様々な動物の痕跡を観察しました。そしてツアー終盤、もう森から出ようという場所で、お客様がニホンカモシカを発見したのです。
白い毛が多い個体で、背景の曇り空と樹皮の色に紛れ、さらに私からは顔が木の陰に隠れていたので、すぐに見つけられませんでした。ヤギほどの大きさがある動物ですが、森の景色にうまく紛れることができるのです。
ニホンカモシカまでの距離は20m程でしょうか? あちらも我々の存在に気付いて、じっとこちらを見つめています。しかし逃げる様子はありません。ニホンジカやイノシシだったら、「ピャッ」とか「ブヒッ」とか言って一目散に逃げて行くのですが、ニホンカモシカの場合は、すぐ逃げないことが多いです。もちろんケースバイケースで、走って逃げることもあるのですが・・・。この時は結局、私たちがニホンカモシカに見送られながら、その場所を後にすることになりました。
大塚
~ピッキオの軽井沢自然体験アクティビティ~
ピッキオは軽井沢にて自然体験アクティビティをご提案しています。1992年の設立以降、長野県軽井沢町を拠点に「ツキノワグマ保護管理」と「ネイチャーツアー」を行ってきました。設立以来培ってきた20年以上のガイド技術と野生動物の専門的な知識を元に皆様を不思議と魅力にあふれた生き物達の世界へといざないます。軽井沢にお越しの際には是非一度ご体験下さい。