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春をさがして森を歩けば

標高約1000m。春の訪れが遅い軽井沢ですが、それでも季節は確実に進んでいます。4月7日、軽井沢野鳥の森の遊歩道を巡回した際に、いつものように開花植物を記録しました。以下の花を見つけることができましたよ。

草の花:フキ、アオイスミレ、アズマイチゲ

木の花:ヤマハンノキ、アブラチャン、ミヤマウグイスカグラ、ツノハシバミ

ついにスミレも咲き始めました。1枚目の写真はアオイスミレ。小さな小さなスミレで、しかも見つけたのは1ヶ所の2株だけ。我ながらよく気付きました。これからヒナスミレやエイザンスミレ、タチツボスミレなども咲き始めるでしょう。

 

アブラチャン

蕾が膨らんで、いつ咲くかと期待していたアブラチャンも咲き始めました。遠目には黄色く見える花ですが、アップでみると花弁は黄緑色をしています。写真に撮るたびに不思議に思います。

 

ツノハシバミの雄花

 

だらんと垂れ下がる地味な花は、風で花粉を運ぶ風媒花です。ツノハシバミの枝先には、こんな雄花がぶらぶら下がっていますよ。

 

ツノハシバミの雌花

 

いっぽうで雌花は、風に乗って飛んでくる花粉を捕まえるため、余計なものを一切排除したシンプルな形です。そう、めしべだけが伸びている。まるでイソギンチャクの触手のようですが、「流れてくるものを捕まえる」という目的は同じなので、形が似るのは必然なのです。

 

アズマイチゲ

 

遊歩道の巡回を終えてピッキオに戻ると、トチノキの周りでアズマイチゲの花が開いていました。3月の終わりには蕾が出ていたのですが、その後の大雪で埋もれてしまい、雪が溶けてからも気温が上がらず、なかなか開いた姿を見ることができませんでした。蕾も増えてきたので、これから見頃を迎えそうです。

外出しにくい日々が続いています。森を訪れる方もめっきり少なくなりました。しかし人間社会が疫病と戦っている間も、自然はただそこにあって、季節も普段通り巡っていきます。せめて外出できない皆さんに、軽井沢の森の様子をお伝えできればと思います。そして皆さんも、事情が許せば身近な野山を歩いてみて下さい。そこは密閉空間ではありませんし、特別な場所でなければ密集状態にもなりません。そしてなんでもない場所に、新しい発見が待っているかもしれませんから。

大塚

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