野鳥調査情報(2020年4月19日)
軽井沢にも、とうとう南の国から夏鳥が渡来し始めました。4月16日にクロツグミ、17日にヤブサメ、そして4月19日に実施した鳥類調査では、ついにオオルリが確認されました。我々人間は新型コロナウイルス蔓延防止のため、国外どころか国内移動もはばかられる状況ですが、渡り鳥たちにはもちろん、そんな事は関係ありませんからね。
4月19日の調査で確認された野鳥は以下の通りです。
ヤマドリ、ノスリ、コゲラ、アオゲラ(声)、カケス(声)、コガラ、ヤマガラ、ヒガラ、シジュウカラ、ヒヨドリ(声)、ウグイス(声)、エナガ、メジロ(声)、ゴジュウカラ、キバシリ(声)、ミソサザイ、カワガラス、ツグミ(声)、オオルリ(声)、キセキレイ(声)、カワラヒワ、シメ(声)、イカル、ホオジロ、アオジ(声)、計25種類
ヤマドリはカサカサと歩いて逃げるオスの姿を、ノスリはカラ類たちの警戒声を浴びながら森の上を飛び去っていく姿を確認しました。オオルリはケラ池でさえずりを3声だけ。梢を探しましたが、姿を見つけることはできませんでした。冬鳥はツグミとシメをそれぞれ1回ずつ地鳴きで確認。さすがに数が減ってきたようです。
写真を撮る機会には恵まれなかったので、先日17日に撮影した写真をいくつか掲載しましょう。1枚目は湯川の岸辺に生えたイヌコリヤナギに訪花するメジロです。軽井沢では夏鳥になるメジロ。毎年、ヤナギ類の花が咲く頃に姿を現します。花蜜が大好物なメジロのことです。ヤナギの開花に合わせて山を登ってくるのではないかと、疑いたくなりますね。
お花好きと言えば、ヒヨドリもです。ただメジロと違うのは、ヤナギの花をむしっては食べ、むしっては食べ、花ごと胃袋に収めてしまうところでしょう。それでも嘴には花粉が付着しているので、受粉の役には立っているのかもしれません。
こちらはアカゲラ休憩所前で会ったホオジロのメス。植物の芽生えを口にくわえてモグモグしていました。ホオジロ類は種子を食べている印象が強いですが、春先にはよく芽生えを食べる姿が観察されます。スプラウトですから栄養は充分あるのでしょうね。
軽井沢野鳥の森は、これからがバードウォッチングのベストシーズンです。しかし非常事態宣言が全国に拡大し、外出自粛要請が出ている中、軽井沢遠征を断念された方も多い事でしょう。一方で、3密を避けての散歩は、感染リスクが低いと言われています。今ならまだ、渡り途中で平地を通過する夏鳥が、都市公園などに滞在しているはずです。そんな夏鳥との出会いを求めて、まだ人が少なく野鳥も活発な早朝に、近隣の緑地を歩いてみてはいかがでしょうか。地元の自然を見つめ直す、またとない機会かもしれませんよ。
大塚