白いチョウと白い花々
5月21日、鳥獣保護区管理員の業務として、軽井沢野鳥の森の遊歩道を巡回しました。どんよりと曇った肌寒い日でしたが、今年初めてウスバシロチョウを見ましたよ(1枚目の写真)。どうやら羽化したばかりのようです。これから暖かい日が訪れると、一気に数が増えるでしょう。ウスバシロチョウが乱舞するようになると、軽井沢に初夏がやってきます。
遊歩道を歩きながら、開花植物も記録しました。
草の花:ムラサキケマン、カキドオシ、コンロンソウ、シロバナエンレイソウ、クワガタソウ、オオバタネツケバナ、ヘビイチゴ、エゾノタチツボスミレ、タチツボスミレ、セイヨウタンポポ、ユキザサ、トウゴクサバノオ、ルイヨウボタン、サクラソウ、ルリソウ、ヤマハタザオ、ホソバノアマナ、ミツバツチグリ、チゴユリ、クリンユキフデ、ツボスミレ、ニッコウネコノメ、タチカメバソウ、タニギキョウ、ワサビ、ハシリドコロ、ルイヨウショウマ(見つけた順)
木の花:ミツバウツギ、ニワトコ、ウワミズザクラ、ズミ、コクサギ、オニヒョウタンボク、クサボケ、ツリバナ、クマイチゴ、アケビ、トウゴクミツバツツジ(植栽)、ヤマツツジ(植栽)、チドリノキ
ヤマザクラの仲間はすっかり散って葉桜となり、今はズミやウワミズザクラが盛りです。
ウワミズザクラは白い花を房状に咲かせ、雄しべを長く伸ばしてまるで「試験管ブラシ」のようです。毎年たくさんの花を咲かせますが、夏に実る果実は年により豊作・凶作があり、豊作の年はツキノワグマが盛んに木に登って食べています。今年はどうでしょうね。
代表的な春の花のひとつ、シロバナエンレイソウです。花が終わりかけた株が増えてきました。白かった花弁に赤味が差し、雨に濡れてさらにガラス細工のようになっています。散り際も美しいですね。
軽井沢野鳥の森では珍しく、チゴユリを見つけました。高さ10センチほどの小さな植物で、花も下向きに咲くのでなかなか目に止まりません。見落としてしまう年が多いのですが、今回はカラマツの根元に寄り添うように咲いていたので、たまたま見つけることができました。
見覚えの無い白い花を見つけました。調べてみるとルイヨウショウマ。秋に黒い実を付けるそうで、図鑑に写真が出ていたその実は、以前に見た記憶がありました。周囲を見渡しても、咲いているのはこの1株だけ。あまり数が多い植物では無いようで、それで見る機会が少ないのでしょうね。20年も野鳥の森を歩いていますが、未だに見たことの無い花に出会う。自然は奥が深いのです。
この日は天気が悪く、開いていない花もありました。帰って写真データを整理してみると、撮影したのは白い花ばかり。確かに白い花は多いのですが、紙面を考えるともうちょっとカラフルな方が良かったですね。
チョウまで白いし・・・。
大塚