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小鳥たちが巣箱で子育て中です

軽井沢野鳥の森は、木々がすっかり葉を茂らせて、足元から木のてっぺんまで新緑に包まれました。見通しが悪くなった森では、野鳥の姿を見つけるのがちょっと難しくなりました。でも実は、その森の中では今まさに、小鳥達が子育てシーズンを迎えているのです。

多くの小鳥の巣は、上手に隠されて作られているので、それを見つけるのはとても難しいです。また、せっかく隠れて作った巣を見つけてしまうと、時に親鳥が危険を感じて巣を放棄してしまうこともあります。そのため、あまり巣の観察はお勧めできません。しかし人間が掛けた巣箱であれば、場所は丸見えですし、少し離れた場所から短時間観察する程度なら、親鳥への影響もほぼ無いと考えられます。

ピッキオが掛けた巣箱でも、現在、複数のつがいが子育てをしています。10m程離れた場所で静かに待っていると、親鳥がヒナに虫を運んでくる様子を見ることができるのです。シジュウカラであれば、数分おきに1匹ずつ虫をくわえて帰ってきます。

 

ワカバグモを持ち帰ったシジュウカラ

 

獲物は主にイモムシやクモですが、他にもガやカマドウマ、エゾハルゼミの腹部を持ち帰ることもあります。シジュウカラの場合、ヒナの成長に合わせて、次第に大きな獲物を狩ってくるのだそうです。

 

たくさんのイモムシを持ち帰ったヤマガラ

 

同じように巣箱で子育てするヤマガラは、小さなイモムシを何匹も口いっぱいにくわえて帰ってきます。近い仲間の両種ですが、こんなところに違いがあるのですね。

 

さて、巣の中はどんな様子でしょうか?実はピッキオで掛けている巣箱のいくつかには、カメラが仕掛けられています。電池とモニターを接続すれば、中の様子を確認することができるのです。

 

ヒナを抱くシジュウカラ

 

この巣箱では、親鳥がヒナの上に座っていました。ヒナが小さい頃は、まだ羽毛が生えそろっていないので、母親が温めていることも多いのです。

 

シジュウカラのヒナたち

 

親鳥が巣から出て行きました。巣の中には、まだ目が開かず、羽毛もほぼ生えていないヒナが7羽見えました。

 

シジュウカラのヒナたち

 

こちらの巣箱には、もう少し成長したヒナがいました。体に羽毛が生え始めています。頭は5つ見えますが、ヒナはもっと多そうです。

 

ヒナに虫を与えるシジュウカラ

 

突然ヒナの動きが激しくなると、親鳥が巣箱に入ってきました。お腹をすかしたヒナは、一斉に口を開いて食べ物をねだります。親鳥が1羽のヒナの口に虫をくわえさせる瞬間を撮影できました。

ヒナに虫を与えると、親鳥はしばらくヒナの様子を見ています。ヒナが糞をするのを待っているのです。ヒナが親鳥にお尻を向け、白い糞が出てくると、親鳥はそれをそっと口にくわえて外に出ます。

 

ヒナの糞を運び出すシジュウカラ

 

ヒナの糞は透明な袋に包まれていて、くちばしでつまむことができるのです。親鳥は糞を口にくわえたまま飛び去っていきます。遠く離れた場所に糞を捨てるのでしょう。これで巣の中はいつも清潔、糞の匂いで巣の場所が見つかる事もありません。

シジュウカラの場合、ヒナは孵化後18日前後で巣立ちます。そして順調に独り立ちすれば、2回目の子育てをおこない、7月下旬頃まで忙しい日々が続きます。

大塚

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