軽井沢も6月11日に梅雨入りとなりました。梅雨入り直前の軽井沢野鳥の森で、幾つかのチョウの写真を撮影していたのでご紹介しましょう。
まず1枚目の写真は交尾するウスバシロチョウです。5月下旬から6月にかけて多いチョウで、白い姿からは想像できませんが、アゲハチョウの仲間です。幼虫はムラサキケマンという植物を食べるのですが、交尾を済ませたメスはムラサキケマンには産卵しません。なぜならこれから、ムラサキケマンは枯れてしまうからです。メスは付近の地面にある石ころや枯れ枝の表面に卵を産み残します。
ルリタテハ
ルリタテハにも出会いました。草の間を飛び回っては葉に触れる動作を繰り返していたので、産卵場所を探すメスだったようです。彼女は昨年の夏に羽化し、チョウのまま冬を越しました。そしてこの新緑の季節に、サルトリイバラなどの植物に卵を産み残します。幼虫は白いトゲトゲのあるイモムシです。
シータテハの幼虫
ハルニレの若木で、偶然にも白いトゲトゲを持つイモムシを見つけました。背中に黄白色の筋があることから、シータテハの幼虫です。シータテハも成虫で冬を越して春以降に産卵するチョウですが、もう幼虫が大きく育っているのですね。羽化すると「夏型」と呼ばれる成虫になり、さらにその子供が秋に「秋型」として羽化し、チョウのまま冬を越します。
クロヒカゲ
クロヒカゲにも出会いました。名前の通り日陰・・・というか森の中を好むチョウで、幼虫はササの仲間を食べます。翅に目玉模様があるジャノメチョウの仲間ですが、茶色く地味なのでよく蛾と間違えられます。
アサギマダラ
そしてアサギマダラにも出会いました。長野県では越冬できないチョウです。毎年、沖縄などの暖かい地域から飛来し、幼虫はイケマなどの葉を食べて育ちます。そして羽化したチョウたちは、誰にも教わることなく、秋になると南へと旅立っていくのです。渡りをする不思議なチョウです。
しばらくは梅雨の鬱陶しい天気が続きますが、晴れ間が出るとチョウたちは盛んに飛び回ります。そんな瞬間を期待しながら、森に出かけてみませんか?
大塚