例年なら9月中に落ち始めるクリの実ですが、今年はなかなか落ちず、不作なのかと思っていました。しかし10月に入ってからは落ちてきましたよ。クリの木の下はイガでいっぱいです。時々はイガの中に、クリが三兄弟で仲良く並んでいるものもあります。写真で見ると美味しそうですが、そこは野生のクリ。粒が小さく、食べようとすると一苦労です。
人間が食べても美味しいクリですが、森の動物たちももちろん食べています。イガが落ちている場所をよく観察すると、クリの割れた殻を見つけました。
クリのイガと殻
器用に殻を割って、クリの中身を食べているのですね。拾い集めてみると、いくつもの殻が見つかりましたよ。
割れたクリの殻
殻をよく見ると、表面に傷が付いていて、押しつぶされたような痕も残っています。おそらく大型の動物が、臼歯で嚙み潰して割ったのでしょう。
この場所の周囲には、イノシシが地面を掘った痕がいくつも残されていました。おそらくこの食べ痕は、イノシシの仕業なのでしょう。イノシシが前足でクリをつかんだりつまんだりすることはできないでしょうから、口だけでクリの殻をむいて中身を食べたと思われます。どうやったらそんな器用なことができるのでしょうか? 食べている場面を、実際に観察してみたいですね。
クリは他にも、ツキノワグマやリス、ネズミなどの野生動物にとって、大切な食料になります。落ちるのが遅かったので少し心配したのですが、動物たちもきっと心待ちにしていたでしょうね。
大塚