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キバシリに接近遭遇

最近、と言ってもここ7〜8年の話ですが、軽井沢野鳥の森で増えている野鳥がいます。キバシリです。

以前はまれに見かける程度でした。それが今では数こそ多くはありませんが、年間を通して観察されるようになったのです。そして冬が終わりに近づくと、「チ・チ・チュルチーチュルチ」と澄んだ早口でさえずりはじめます。ミソサザイのさえずりを短くしたような声で、初めて聞いた時には正体がわかりませんでした。

先日、そんなキバシリに出会ったのは、ミソサザイ休憩所の周辺でした。遊歩道脇にウラジロモミが並んで植えられており、そこでキクイタダキを見つけたのです。低い枝に降りてこないかしばらく様子を見ていると、突然目の前のカラマツの幹にキバシリが止まりました。

とっさにカメラを向けましたが、あまりに距離が近かったこともあり、画面から下半身がはみ出してしまいました。それが1枚目の写真です。キバシリはキツツキやゴジュウカラのように、木の幹を登りながら樹皮の隙間から虫を探し出して食べる小鳥です。写真を見ると、幹をしっかり掴むための長く湾曲した足の爪、そして樹皮の隙間を探るための、やはり湾曲したくちばしが、手に取るようにわかりました。

 

幹を登るキバシリ

 

キバシリは虫を探しながら幹を登ると、ある程度登ったところで他の木に飛び移り、また幹を下から上へと登っていきます。隣のカラマツに飛び移ったキバシリを写真に撮ると、その背中は細かい模様もあって、カラマツの樹皮の色によく馴染んでいました。小さな体とも相まって、とても見つけにくい姿です。比較的目立つ色をしているキツツキやゴジュウカラよりも、地面に紛れるホオジロ類の雰囲気に似ていますね。

キバシリが去るとすぐに、今度はミソサザイの沢の対岸から、ウソとベニマシコの声が響いてきました。見ると地面の雪から顔を出した、枯れたダイコンソウの実を食べています。近くにいたウソにそっとカメラを向けました。

 

ウソ♀

 

ウソは口をモグモグしながら、実の皮をむいて種子を食べています。実を食べ尽くすと次の株へ。そうして次第に離れて行ってしまいました。そうこうしているうちに、最初に見つけたキクイタダキもいなくなり、結局写真も撮れませんでした・・・。

小瀬林道まで降りてくると、頭上から「チリリ・チリリ」とかすかな声がします。見上げると高い枝から生えているヤドリギに、4羽のヒレンジャクがやってきていました。

 

ヒレンジャク

 

あまりに高い場所だったので、大きく写すことはできませんでした。今年はヒレンジャクの群れをよく見るのですが、撮影チャンスには恵まれず、良い写真が撮れていません。ヤドリギの実は残っているので、まだしばらく滞在してくれることを期待しています。

大塚

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