早春の花束
花弁が5つに割れたクリーム色の花から、大きなシベが伸びて先端に黄色い花粉がついています。そんな花をいくつも束ねたようなこの写真。軽井沢ではいち早く咲く植物のひとつです。正体は次の写真。
そう、実はフキノトウの拡大写真なのです。フキはキク科の植物。小さな花を集めて束にして、あたかもそれをひとつの大きな花のように見せているのです。
さて、軽井沢野鳥の森もようやく花が咲き始めました。4月8日に遊歩道を巡回して確認した開花植物は以下の通りです。
草の花:フキ、タチツボスミレ、ヒナスミレ、アオイスミレ、アズマイチゲ、ハナネコノメ、ニッコウネコノメ、オオコガネネコノメ、ワサビ
木の花:アブラチャン、イヌコリヤナギ、ヤマネコヤナギ、ヤマハンノキ、ハルニレ、ツノハシバミ
ピッキオ前のアズマイチゲ群落は今年は3月31日に咲き始めました。ちょっと早めかな?森の中でも咲き始めて、こちらは遊歩道の階段に咲いていた株です。踏まれないと良いのですが・・・。
スミレ類も咲き始めています。今はまだヒナスミレとタチツボスミレ、アオイスミレの3種類だけ。エイザンスミレ、ヒカゲスミレ、マルバスミレなどが後に続きます。
ミソサザイの沢では、ネコノメソウの仲間が咲き始めていました。まずはどこまでが花なのかよくわからないニッコウネコノメ。花の周りの葉が黄色く色付いて花を目立たせています。
白い花びら(のように見えて実は萼)に赤や黄色に見える雄しべの葯が美しいハナネコノメ。赤い葯が開くと花粉が出て黄色く見えます。
花が黄色い四角形に見えるオオコガネネコノメ。なかなか良いモデルさんに出会えず、結局、小瀬林道の道端で、砕石の隙間から咲く姿になってしまいました。
気温はあまり上がらなかったのですが、日差しがあったのでチョウの姿も見つかりました。もうかなりボロになったテングチョウ。成虫で越冬するチョウですが、冬眠場所が過酷だったのか、それとも春ずいぶん早くから活動を再開して飛びまわっていたのか。食樹のエノキは野鳥の森にありませんが、メスは産卵のために移動するのでしょうか?
各地から、いつもより早い桜の便りが届いています。軽井沢はどうでしょうね。ここ数日は涼しいので、植物の成長も足踏みのようです。あまり早く季節が進むと、葉が茂って野鳥が見えにくくなるので、もうちょっと足踏みしていて欲しいのですが・・・。
大塚