早い梅雨入りが心配された軽井沢ですが、結局6月に入っても、今のところ梅雨入りしていません。天気が良い日に森を歩くと、あちこちでチョウの姿に出会います。
ウスバシロチョウ
この季節、ヒラヒラと飛び回ってやたらと目に付くのが、このウスバシロチョウです。年に一回、5〜6月にだけ姿を見せるチョウで、産み残された卵は来春まで眠り、早春に生まれた幼虫はムラサキケマンを食べて大急ぎで成長し、蛹を経てチョウへと羽化します。
サカハチチョウ(春型)
サカハチチョウは、漢字で書くと「逆八蝶」です。春型はオレンジ色の模様が美しい姿をしていますが、その子供世代となる夏型は、黒字に白く「八の字」模様が現れます。
ミドリヒョウモン幼虫
トゲトゲがいかにも痛そうな毛虫に見えますが、実は棘が柔らかくて見掛け倒しのミドリヒョウモンの幼虫です。ヒョウモンチョウの仲間はスミレ類の葉を食べて育つのですが、なぜかシシウド(セリ科)の上に乗っていました。鳥の大好物であるイモムシが、こんな目立つ場所にいて大丈夫?
マダラエダシャクの仲間
目立つ場所に止まっているといえば、やたらに目立つのがこの蛾です。ユウマダラエダシャクのようですが、よく似た種類がいくつかあるそうなので、正確には判りません。白と灰色のモヤモヤとしたまだら模様は、鳥の糞を模していると言われています。ナルホド、それなら鳥が目にしても気にしません。
地面に突き刺さった枯枝の先端に、大きな青白い蛾を見つけました。オオミズアオです(1枚目の写真)。初夏と夏の年2回発生するそうなので、今年1回目に発生した成虫でしょう。時々、灯りに飛来したところを見つけることがありますが、森の中で自然な姿に出会うことはなかなかありません。この姿は葉が茂った枝に止まっていると、木の葉に上手く紛れるのです。夜空を飛ぶ姿はさらに目にする機会が少ないですが、青白い翅をひらめかせて闇夜を舞う姿はとても幻想的です。
大塚