「けもの道ウォーキング」始まりました
今年も冬期間限定のツアー「けもの道ウォーキング」が始まりました。先日、現地踏査と内容の引き継ぎを兼ねて、スタッフ数人でコースを歩いてきましたよ。場所は国有林に囲まれた、星野リゾートの所有地です。ここにはツキノワグマを始め、たくさんの動物が溜まり水を飲みにくる、不思議なコナラの木があります(1枚目の写真)。以前、ここに集まる動物たちの様子を、過去のブログで紹介したことがありました。
今年の秋はミズナラの実りが良かったこともあり、森の中のあちこちにクマ棚が残されていました。梢に残された枯葉のかたまりのように見えるのがクマ棚。ツキノワグマが木に登って枝を折り、枝先に付いたドングリを食べた痕跡です。
根元にはツキノワグマが折った枝も落ちています。枝の折られた部位の近くには、爪でしょうか?牙でしょうか?いくつもの傷が残されていました。
落ちている枝先には、萎れたまま枝に付いている葉とともに、ドングリの殻斗(帽子)も残されています。
そして周囲をよく探すと、ツキノワグマの落とし物も・・・。
ヒトとあまり変わらない・・・いや、もう少し太い・・・そう、ツキノワグマの糞です。ツキノワグマは食べたものが割と原形をとどめたまま排泄されるのですが、この糞はよく消化されているように見えます。クリやドングリを食べた時の糞に多い特徴です。
ツヤツヤのドングリの殻が混じったクマ糞もありました。ツキノワグマは、ドングリを食べる際、器用に殻を選り分けるので、糞には意外なほど殻が含まれていないのです。
クマ棚が残されたミズナラの幹には、しっかりとツキノワグマの爪痕も残されていました。
見上げると、樹上の驚くほど高い場所にクマ棚が残されています。あそこまで登ったの・・・?
ツキノワグマの痕跡の他にも、イノシシやカモシカの糞、幹や枝を体でこすった痕などが見つかりました。
ニホンリスがオニグルミの種子を食べた食痕も、毎年同じ木の根元に残されています。相変わらず、この根の上を食卓として利用しているようです。
今後、雪が積もると動物の糞は埋まってしまいますが、代わって雪上の足跡を観察できるようになります。森の動物たちの息吹が感じられる「けもの道ウォーキング」。是非、ご参加くださいね。
大塚
~ピッキオの軽井沢自然体験アクティビティ~
ピッキオは軽井沢にて自然体験アクティビティをご提案しています。1992年の設立以降、長野県軽井沢町を拠点に「ツキノワグマ保護管理」と「ネイチャーツアー」を行ってきました。設立以来培ってきた20年以上のガイド技術と野生動物の専門的な知識を元に皆様を不思議と魅力にあふれた生き物達の世界へといざないます。軽井沢にお越しの際には是非一度ご体験下さい。