野鳥調査情報(2021年12月20日)
軽井沢野鳥の森は、12月17日から18日にかけて雪が降りました。まだ日陰に雪が残る12月20日、毎月恒例の鳥類調査を実施しました。森に入るとすぐに、ルリビタキのさえずりが聞こえます。この冬はよくルリビタキのさえずりを聞きますね。斜面からは、時々ツグミが飛び上がります。大抵、木の幹や枝の背後に隠れるように止まるので、立ち位置を変えて確認するのですが、なんとそのうちの1羽はトラツグミでした(1枚目の写真)。混み合った枝の隙間を通して、お腹の黒い鱗模様がしっかりと見えましたよ。
確認できた野鳥は以下の通りです。
ヤマドリ、コゲラ、アカゲラ、アオゲラ、モズ、カケス、ハシブトガラス、コガラ、ヤマガラ、ヒガラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、エナガ、ゴジュウカラ、ミソサザイ、トラツグミ、ツグミ、ルリビタキ(声)、カヤクグリ、アトリ、カワラヒワ、シメ、イカル、計23種類
斜面の上からガサガサと落ち葉を踏む音がするので見上げると、尾根の上からヤマドリが現れました。長い尾羽をピンと伸ばしたオスです。一瞬で再び尾根の向こうへと姿を消してしまいましたが、ずいぶん久しぶりの対面でした。
カラ類が警戒声を発しているので「タカでも出たのか?」と空を見上げましたが、それらしい影は見当たりません。枝の中を動く鳥に双眼鏡を向けると、モズのオスでした。モズは小鳥を襲うこともあるのですが、この時は狩に失敗したようです。
ミソサザイの沢では、対岸の水が滲み出る斜面に、カヤクグリを見つけました。落ち葉をめくっては、何かをついばんでいます。こげ茶色の背中と暗い灰色のお腹が、落ち葉が積もった岩肌に見事なほど同化しています。樹上から舞い降りた姿で気付いたのですが、元々そこで採食していたら、きっと見つけられなかったでしょうね。
時折、カラ類の混群に出会うのですが、梢を移動していることが多くて、なかなか写真には撮れません。キビタキ休憩所がある小さなピークに登ると、ちょうど混群が通過中でした。ゴジュウカラが目の前まで降りてきましたよ。残念だったのは、逆光で目にキャッチライト(光の映り込み)が入らなかった事ですね。ゴジュウカラの顔には黒い過眼線があって、目がどこにあるのか解りにくいのです。
アトリとイカルの大きな群れがいて、斜面からバラバラと飛び立っていきました。イカルは「ヒュルルルッ」と音を立てながら飛ぶのでそれと判別できますが、三々五々飛び立つので、なかなか全体像が掴めません。どうやら総計50羽を超える群れだったようです。そしてシメも1羽だけ混じっているのが確認できました。どれも太いくちばしで硬い種子を割って食べる鳥たちです。地面に落ちた木の実を食べていたのでしょうね。
今回の調査では、ヤマドリやトラツグミといったレアキャラに出会うことができました。しかし一方で、冬鳥のベニマシコは確認できませんでした。何度か声は聞いているのですが、まだお目にかかれていません。今冬は数が少ないのでしょうか?
大塚