2021年もクマの追い払いや追跡で大活躍してくれたベアドッグたちのつかの間の休息は、そろそろ終わりを迎えます。
2018年に生まれた3代目ベアドッグ「レラ」「エルフ」は4月1日には4歳となります。すでに、母親(タマ)と大きさは変わらない立派な成犬に成長しました。
私(井村)がエルフのハンドラーとなったのは、2年前。
2016年からクマ保護管理ユニットで夜間巡回業務(発信器を装着したクマの居場所を夜間に探す)を中心に行ってきましたが、2019年、「レラ」「エルフ」が1才を迎えたタイミングで、私はエルフのハンドラーに任命されました。今まで先輩ハンドラーたちのクマと真っ向から向き合う姿を見て憧れがあったので、とてもうれしかったのを今でも覚えています。
2019年2月からエルフと一緒に暮らし始め、その後、訓練方法やクマへの接近方法など、一から先輩ハンドラーたちに教えてもらいました。
初めのうちは、犬一倍?元気なエルフに付いていけず、家から脱走され肝を冷やすことや、有り余る狩猟欲に振り回されコントロールできないことがありました。しかし、共にいる時間が長くなればなるほど、絆が深まるのを実感して今ではそんな心配も減ってきました。
2020年5月23日、ルーシーと呼ばれるクマが林道の近くにいるのを発信器の電波により発見したため、エルフと向かいました。
電波が強い場所まで行くと、エルフがそわそわし始め、激しく吠えます。
エルフが吠える方向に視線を向けると、こちらをじっと見ているルーシーを発見。
すかさず追いかけると、ルーシーは森の奥へと逃げていきました。
この時がエルフと私だけの初めての追い払いだったので、訓練の成果を実感しました。
エルフとの初めての追い払い。何かを訴えかけるエルフこの直後、クマの気配に気が付き吠え始めた。
この年はクマの追い払いに加え、目撃などの情報件数は2000年以降で最も多い年で、
とても大変でしたが、経験を積むにはうってつけでお互いに成長できた年でもありました。
脱落した発信器をみつけだしたエルフ
追い払い中にクマ糞を見つけたエルフ。中身はウワミズザクラ。
木の上にいたクマを追い払うエルフ
12月、別荘地近くにいたクマの追い払いをしたエルフと逃げていったクマの足跡
次回は2021年のエルフの活躍と合わせて、デビュー2年目を振り返ります。
こうご期待!!
井村