ACCESS

どんぐり池の死闘

今年も3月17日に、軽井沢野鳥の森にあるどんぐり池で、ヤマアカガエルの産卵が始まりました。「野鳥の森ネイチャーウォッチング」のツアー中に、3つの卵塊が確認されたのです。午後、様子を見にいくと、すでに卵塊は10個以上に増えていました。

 

ヤマアカガエルの卵塊

 

例年と比較して、今年の産卵は遅かったように思います。そこで過去3年の記録を紐解いてみると・・・。

2021年  3月10日

2020年  3月12日

2019年  3月1日!!

やはり遅いですね。今年の冬は寒く、雪も多い印象でした。それが産卵の開始に影響しているのでしょうね。

 

そして、今年もカルガモのペアが、どんぐり池に訪れていました。

 

カルガモのペア

 

くちばしを水中に差し込んで食べ物を探している方がメス、それを後ろで見守っている方がオスです。カモ類はメスが産卵を終え、卵を抱き始めるまでは、オスがピッタリとメスをガードし続けます。天敵を警戒するのはもちろんですが、他のオスにメスを奪われないようにしなければなりません。メスはこれからの産卵に備え、栄養を蓄える必要があるのでしょう。ひっきりなしに食べ物を探していました。そしていちばんのご馳走が・・・。

 

捕まえた!

 

そう、繁殖のために集まるヤマアカガエル達です。写真で捕まっているのはオス。メスを待って岸辺に潜んでいるところを、まんまと捕まってしまいました。下顎が真っ白なのがオスの特徴で、メスは名前の通り下顎からお腹、太ももの裏側まで、鮮やかなオレンジ色をしています。

この時は30分ほど観察・撮影していましたが、その間にこのカルガモのメスは、2匹のヤマアカガエルのオスを捕食しました。ちなみにカルガモのオスは、ヤマアカガエルの抱接したペアを捕まえましたが、大きすぎて持て余しているうちに逃げられていましたよ。

 

ヤマアカガエル達は、天敵に襲われるリスクを抱えながらも、繁殖のために集まっているのです。しかもオス達は、数少ないメスを巡って争わなければならないので、自身が繁殖できるとは限りません。子孫を残す戦いは、まさに命懸けなのです。

 

メスを待つヤマアカガエルのオス

大塚

あなたのご支援が必要です。野生のクマを未来へ。あなたの力を私たちに貸してください。あなたのご支援が必要です。野生のクマを未来へ。あなたの力を私たちに貸してください。