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野鳥調査情報(2022年7月11日)

7月11日、毎月恒例の「軽井沢野鳥の森」鳥類調査を実施しました。小鳥たちの子育てシーズンはもう終盤、あちこちから正体不明の声が聞こえてきます。その多くはまだ巣立ってまもないヒナたち。親鳥とは違った声を出すので、なかなか声だけで識別することができません。親元を離れた若鳥たちも、大きな混群を作って森を移動していきます。そんな群れに遭遇すると、カウントは困難を極めます。

そんな状況の森で、確認した野鳥は以下の通りです。

カルガモ、キジバト(声)、アオバト(声)、カッコウ(声)、コゲラ、カケス(声)、ハシブトガラス(声)、コガラ、ヤマガラ(声)、ヒガラ(声)、シジュウカラ、ヒヨドリ、ウグイス(声)、ヤブサメ、エナガ、センダイムシクイ(声)、メジロ(声)、ゴジュウカラ、ミソサザイ、クロツグミ(声)、キビタキ、オオルリ、イカル(声)、ホオジロ(声)、計24種類

オスたちの縄張り宣言である「さえずり」が、まだ意外なほど多く聞こえました。特にキビタキがよくさえずっていて、姿で確認した個体も含めると、27羽も確認できました。今回確認した種類の中では最多です。一方でオオルリを確認したのは、さえずっていたオス1羽だけ。調査終了後にさえずり始めたのんびり屋さんもいましたが、キビタキとはかなり個体数に差があるようです。

そして野鳥の写真も撮影チャンスは皆無でした。1枚目の写真は、13日にケラ池の島から突如姿を現したカルガモ親子です。どうやら島に茂ったフキの葉に隠れて抱卵していたようで、池に降りた直後は、写真のようにヒナたちがかたまりになって泳いでいました。数日経った現在では、かなり自由に泳ぎまわって食べ物を探しています。

 

ところで11日の調査中、ずいぶん久しぶりの出会いがありました。私は鳥類調査中も念の為、熊よけ鈴を鳴らしているのですが、小さな広場に出る場所で、地面に真っ黒な物体を発見しました。同時にその物体は「ドスっ」と地面を蹴る重たい音を立てると、一気に森の奥へと走り去って行きました。そう、ツキノワグマです。

私はもう25年ほど軽井沢野鳥の森を歩いていますが、意外なほどツキノワグマに会っていません。野鳥の森周辺に限定すれば、まだ5回目です。前回はもう10年くらい前ですね。今回は大型犬程度の、あまり大きなクマではありません。私の姿を確認してすぐ逃げて行ったので、人に対する警戒心は強いようです。鈴の音が聞こえていたので、すでにあたりを警戒していたのかもしれませんね。その場所は実がなったヤマグワの木の根元でした。地面に落ちた実を食べていたようです。今がまさにヤマグワの実が旬の季節。皆さんも森を散策するときは、クマよけ鈴を鳴らして歩いてくださいね。

 

ムササビがハルニレの葉を食べた痕

遊歩道には、あちこちにムササビが食べて落とした木の葉がありました。ハルニレにサワシバ、ケヤキ、ホオノキなど。ムササビたちは今の季節、おもに木の葉を食べているようです。

大塚

 

〜ピッキオは2022年4月で30周年を迎えました〜

ピッキオは軽井沢にて自然体験アクティビティをご提供しています。1992年の設立以降、長野県軽井沢町を拠点に「ツキノワグマ保護管理」と「ネイチャーツアー」を行ってきました。設立以来培ってきた30年のガイド技術と野生動物の専門的な知識をもとに、皆様を不思議と魅力にあふれた生き物達の世界へといざないます。軽井沢にお越しの際には是非一度ご体験ください。

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