梅雨の森の落とし物
梅雨空の6月23日、軽井沢野鳥の森の遊歩道を巡回しました。いつものように開花植物を記録しながら歩くのですが、高い木の上に咲く花は、なかなか視界に入りません。しかし、地面に落ちている花殻で、頭上に咲く花に気付くことができます。この日、遊歩道に落ちていたのは、サルナシの雄花でした。サルナシはマタタビやキウイフルーツに近縁のつる性植物です。見上げると、樹上高くに花が咲いていました。
この日、開花が確認できた植物は以下の通りです。
草の花:ムラサキツメクサ、シロツメクサ、アカショウマ、キツリフネ、サワギク、ダイコンソウ、カルイザワテンナンショウ、キツネノボタン、クサノオウ、ヤマハタザオ、ヤマジノテンナンショウ、タニギキョウ、ハルジオン、ヒメヘビイチゴ、ウマノミツバ、ウワバミソウ、ヒメジョオン、オオバコ(見つけた順)
木の花:エゴノキ、ハシドイ、ミヤマイボタ、ガマズミ、ニシキウツギ、シモツケ、ナワシロイチゴ、サルナシ、コゴメウツギ、ノイバラ(見つけた順)
サワギクが花盛り。キツリフネやダイコンソウが咲き始め、黄色い草花が目立ちます。木は白い花が多いですが、ピンク色のシモツケも咲き始めました。ミヤマイボタの白い花には、レモンイエローが鮮やかなコマルハナバチのオスバチが訪れていました。
コマルハナバチは春から初夏に活動するマルハナバチで、梅雨頃にはオスバチと新女王バチが現れ、交尾を済ませた新女王バチだけが冬を越します。オスバチは寿命が尽きるまで、花と新女王バチを捜して森を飛び回るのでしょうね。
遊歩道の上には、こんなものも落ちていました。
まだ緑色をしたカラマツの松ぼっくりが、バラバラになって落ちています。よく見ると、鱗片の付け根に2つあったはずの種子が無くなっています。そして鱗片をほとんど剥がされた芯も落ちていました。カラマツぼっくりの「エビフライ」つまりリスの仲間が種子を食べた痕です。犯人はムササビだと思うのですが、糞など他の証拠は見つけられず、断定はできませんでした。
一応、遊歩道のゴミ拾いも目的なので、下ばかり見て歩いていたら、こんなものも見つけました。
地面に落ちたカラマツの枝。それもかなり細い枝先に、傘の直径が4mmほどしかない小さな白いキノコがならんで生えていました。雨でしっとりと濡れた森では、菌類たちが活発に枯枝や落ち葉を分解しているのでしょうね。細い枝に並んだ姿が、何やら楽しそうでした。
大塚