軽井沢ではじめての虫とり体験はいかが?
上の写真はヒメジシミの交尾です。ヒメシジミは草原性のチョウで、軽井沢野鳥の森で確認されたことはありません。撮影したのはスキー場のゲレンデです。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、軽井沢にピッキオの拠点は2ヶ所あります。星野エリアのピッキオと、軽井沢プリンスホテル敷地内の「ネイチャーキッズ森の家」です。森の家では夏休みに親子対象の昆虫を観察するツアーも開催しますよ。
先日、その森の家で実施するツアーのひとつ「親子ではじめて森遊び〜夏のはらっぱ虫とり隊〜」の現地下見を、担当するスタッフと一緒におこないました。このツアーで虫をさがす予定のゲレンデには、ヒメシジミやウラギンヒョウモン、モンキチョウなどの草原性チョウ、シオカラトンボなどが飛んでいます。そして草むらを歩けば、次々とバッタ類が跳び出します。
バッタの中でも早い季節から成虫を見るようになるのが、このナキイナゴです。オスは鮮やかな黄色で、前翅と後肢を擦り合わせて「ジャ・ジャ・ジャ・・・」と鳴いてメスを呼びます。
翅と後肢の先端(つま)が黒いのでツマグロバッタです。やや湿った草原に生息するバッタで、この場所では最もよく目に付くバッタです。面白いことに、ゲレンデの場所によって、目立つバッタの種類が異なるように思います。
ヒメギスが器用に草を登って、穂を食べていました。やはり湿った草むらでよく目にするキリギリスの仲間です。キリギリスの仲間はバッタの仲間に比べ、細くてとても長い触角を持っています。またメスの腹部先端には、長い産卵管が目立ちます。
スキー場のゲレンデは、森林化を防ぐために定期的な草刈りが行われます。そのため長年、半自然草原が維持されてきたのです。昔、軽井沢には、緑肥や飼葉を採るための採草地が多くあったそうです。そのような場所で暮らしていた草原性の生物が、少なからずスキー場のゲレンデに生き残っているのではないでしょうか。
ゲレンデから少し歩くと、コテージに囲まれた池があります。そこはヒシの葉が水面を広く覆い、カイツブリが子育てしています。そしてトンボの楽園にもなっています。
この池で多く見られるのが、小さな赤とんぼであるマユタテアカネです。まだ体が黄色っぽい若い個体ばかりで、赤く色付いた成熟個体は見られませんでした。夏休みの中盤からは、赤く綺麗な姿も見られるようになります。
そしてこちらもたくさん見つかるアオイトトンボ。メタリックな緑色が綺麗です。オスは成熟すると写真のように複眼が青くなり、胸や腹端が青白い粉が吹いたようになります。池のまわりにもゲレンデにも、もうやたらとたくさんいます。
マユタテアカネやアオイトトンボは、はじめて捕虫網を持つ小さな子でも捕まえることができる、捕虫網「初級編」のトンボです。そしてここには「中級編」のシオカラトンボやショウジョウトンボ、「上級編」のギンヤンマやオオルリボシヤンマもいます。ツアーでは飛び交うギンヤンマを前に、お父さんの方が真剣になる事も・・・。
「親子ではじめて森遊び〜夏のはらっぱ虫とり隊〜」では、捕虫網と虫カゴをお貸し出しして、これらの虫を捕まえるのに挑戦していただきます。捕まえた虫は虫メガネなどで観察しながら、特徴を解説します。そして最後に「軽井沢カブトムシの森」を見学して終了です。虫好きなスタッフと一緒に虫捕りをすれば、今まで虫が怖くて持つこともできなかったお子様も、虫と仲良くなれるかもしれませんよ。軽井沢ではじめての虫捕り体験はいかがでしょうか?
大塚