先日の鳥類調査から2週間、軽井沢野鳥の森の冬鳥たちの状況に変化はあるでしょうか?11月29日に鳥獣保護区管理員の業務として遊歩道を巡回したので、冬鳥の姿を探しながら歩きました。
まず出会ったのは、沢で食べ物を探しながら歩いていたミソサザイ。一年中、軽井沢で見られる留鳥ですけどね。春は大きな声でさえずるのですぐ見つかるのですが、今の季節は短く「チャッ」としか鳴きません。地味で小さな小鳥なので、目を凝らさないとすぐ見失ってしまいます。上流に向かって歩いていたので、先回りして待っていると徐々に近付いてきましたよ。
ミソサザイ
私の目の前を通り過ぎ、岸辺に生えたオシダの根元で食べ物を探しているところです。距離は5m程しか離れていません。それでも小さい(全長約10.5cm)ので、写真はトリミングしています。
遊歩道を一通り歩き、冬鳥はツグミ、アトリ、マヒワ、シメ、ベニマシコ、カシラダカを確認しました。ただ、ツグミの数は15日の調査の時よりもずいぶん減ったように思います。さらに南へと渡ってしまったのでしょうか? 前回ツグミやシメ、アトリはミズキの木に集まって実を食べていましたが、もうミズキの実は、樹上にあまり残っていません。採食場所も樹上から地面に移り変わったようで、歩いていると不意に地面から鳥が飛び立ちます。
アトリ
日当たりの良い尾根でパラパラと飛び立った小鳥に双眼鏡を向けると、アトリの群れでした。この日は風が強かったのですが、1羽のオスが揺れる枝の上でしばらくじっとしてくれたので、枝の隙間から風の合間を狙ってなんとか撮影することができました。アトリは三角おにぎりのような頭が特徴ですが、オスの頭の羽毛は根元が黒く、先は薄いベージュ色です。この写真でも頭の羽毛の隙間から、根元の黒い色が見えていますね。春になると毛先のベージュ色の部分が擦り切れ、頭がまっ黒くなりますよ。それが繁殖期のオスの姿。するとまた、北へと帰ってしまいます。
大塚