今年の軽井沢は2月から3月にかけて寒い日が多く、雪も多く降りました。そのため日陰にはいつまでも雪が残っていましたが、下旬になってようやく暖かな日が増えてきました。暖かさに誘われたのか、ムササビが巣箱の入口からぼんやり外を眺めていましたよ。
どんぐり池のヤマアカガエル卵塊(3月28日)
どんぐり池のヤマアカガエルは、3月27日にようやく卵塊が確認されました。その後、卵塊は日に日に数を増やしています。ヤマアカガエルの産卵は、例年3月中旬の雨が降る暖かな夜に始まりますが、今年の3月中旬は、雪が降るほど寒かったですからね。
ちなみにここ5年間の産卵開始日は以下の通りです。
2019年3月1日
2020年3月12日
2021年3月10日
2022年3月17日
2023年3月12日
今年は例年より10日以上遅かったことがわかります。
沢沿いでは、ミソサザイのさえずりもよく聞かれるようになりました。すでに巣作りを始めているオスもいて、苔むした倒木から、何度も苔をむしり取っては何処かへと運んでいました。
「よいしょ、よいしょ」
「とれた!」
3月30日は暖かく、テングチョウやシータテハといった成虫越冬のチョウを初認しました。また夕方には、湯川からカワガラスの巣立ちビナの声が響いてきました。どうやらトンボの湯の裏手にある、第一発電所のトンネルで営巣していた家族のようです。赤岩橋から湯川を覗き込むと、2羽のカワガラスのヒナが石の上に並んでいました。
カワガラスの巣立ちビナたち
翌日31日にはエルタテハを初認。またウグイスのさえずりも聞かれました。3月末のウグイスの初鳴きは例年通りです。
遅かった春の足音が、ようやく聞こえてきました。
大塚