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夏の軽井沢で昆虫観察

もうすぐ夏休み。私は子どもの頃、夏休みの旅行といえば、まだ見ぬ昆虫との出会いばかりを期待していました。行き先が温泉でも景勝地でも、気になるのは「どんな虫がいるか」ばかりでしたよ。思えばキリギリスもクマゼミもオニヤンマも、初めて見たのは旅行先でした。

さて、軽井沢のピッキオは、軽井沢野鳥の森や星野エリアだけでなく、軽井沢駅のすぐ近く、軽井沢プリンスホテル内でもツアーをおこなっています。「ネイチャーキッズ森の家」という施設の運営をさせていただいているからです。夜に野生動物の姿を探す「ワイルドサファリツアー」も、森の家が出発地点ですね。そしてこの夏、森の家は昆虫一色になりますよ。

 

実は先日「夜の昆虫観察会」の宣材写真撮影を担当しました。アイキャッチは、その時に撮影した「ライトトラップ」の写真です。昆虫が光に集まる習性を利用して、夜行性の昆虫を観察します。

 

飛来した大きな「ムラサキトビケラ」を観察

 

コロコロしてかわいい「ムネアカセンチコガネ」も飛来。長野県では準絶滅危惧種。モデル役の子どもたちにも人気でした

 

他にもバナナトラップや・・・

 

何が来てるかな?(実は仕掛けたばかりでまだ何も集まっていない・・・)

 

ピットフォールトラップなども観察します。

 

思いのほか大漁でした。短時間でこんなに落ちるとは・・・

 

日中のツアーでも、昆虫をつかまえますよ。お子様だけで参加する自然体験「キッズチャレンジ」では、奇数日の午前の部を「たのしもう!夏の虫とり大会」というテーマで実施。午後に開催の「親子の虫とりクラブ」では、親子で昆虫をつかまえて観察します。

虫とり網を片手に、ゲレンデの草むらでバッタやチョウを追いかけたり・・・

 

ゲレンデを舞う草原性のチョウ「ウラギンヒョウモン」

 

池のまわりでは色とりどりのトンボをつかまえます。

 

夏休み前半まで飛んでいる「ヨツボシトンボ」

 

全身真っ赤な「ショウジョウトンボ」

 

そして「夏休み自由研究プログラム」では、「池のいきもの」と「昆虫のからだ」という2つのテーマで、採集と観察によって自由研究の素材集めをします。レポートのまとめ方についてもお話しするので、あとは当日撮影した写真などを添えてまとめるだけで、自由研究の宿題は解決です。

 

夏の昆虫といえばカブトムシですが、土地勘のない旅行先で野生のカブトムシを見つけるのはなかなか困難。樹液が出ている木を見つけても、そこにはスズメバチが集まっていて近付けない・・・。では、ケージの中で放し飼いになったカブトムシとの触れ合いはどうでしょう? 「軽井沢カブトムシの森」では、たくさんのカブトムシが子どもたちをお待ちしています。

 

カブトムシを持って、はいチーズ。毎年「はじめて虫にさわれた!」という声をお聞きします

 

昭和育ちの自分と比較してはいけないのかもしれませんが・・・最近の子どもたちは、自然の中で野生の生きものと出会う経験がとても少ないと思います。生きものが好きな子どもたちも、テレビ番組や動画を見て知識はとても多いのですが、話してみると実体験の乏しい子が目立ちます。

昆虫は、最も身近な野生動物です。しかも哺乳類や鳥類と違い、一部保護対象となっている種類や場所を除けば、直接捕まえて観察することができます。でも昆虫を見つけて、逃げられないように忍び寄り、捕まえるためには、いろいろ考えて工夫しないといけない。そして実際に昆虫を捕まえてみると、逃げようともがく力強さに驚いて、思わず手を離してしまう子もいます。中には危険な昆虫もいますし、そうでなくても爪やアゴで痛い目に遭ったり、逆に誤って殺してしまうこともある。そんな「思い通りにならない」自分とは異なる命と向き合う経験は、自然との付き合い方ばかりでなく、他者とのかかわり方という面でも、大切な体験になると思うのです。

また昆虫を直接手に持って観察すると、感触を指先で感じたり、音や匂いを感じたり、映像ではわからない細部までしっかり目で確かめることができます。もしかするとこのような実体験が、命に対する畏敬の念を芽生えさせたり、好奇心や科学的思考を育むきっかけになるのかもしれません。

せっかくの夏休み、軽井沢で子どもたちに、自然の中で昆虫と触れ合う体験をさせてみませんか?

大塚

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