12月1日より、毎冬恒例となった「けもの道ウォーキング」が始まりました。先日、担当するガイドスタッフ数名で現地下見をしてきましたので、その時に撮影した写真をご紹介しましょう。
まずアイキャッチに使用したのは、今年の秋にミズナラの樹上にできたツキノワグマの「クマ棚」です。枝に付いているどんぐりを、木に登って食べた痕ですね。ツキノワグマは実を食べる際に、枝をへし折って自分に引き寄せて食べます。その枝が樹上に残っているのですが、何本もの枝が積み重なって大きな鳥の巣のようになることもあります。ただ今年は、そんな大きなクマ棚は残っていませんでした。今年のこの斜面のどんぐりは、それほど豊作ではなかったのでしょうか?
オニヒョウタンボクの木の又に、オニグルミが挟まっていました。自然に木から落ちて挟まるもんじゃない。これはニホンリスの仕業でしょう。彼らはオニグルミを地面や樹上のあちこちに隠し、冬の食料とするのですが、木の又に挟み込むこともあるのです。これで真冬になっても、雪に埋もれて隠れてしまうことはありませんね。・・・でも丸見えなので、他の誰かに食べられてしまうかもしれません。
カラマツの根元に、2つに割れたオニグルミの殻が落ちていました。殻のふちがガタガタに削られています。これがニホンリスが食べたオニグルミの殻です。彼らはオニグルミの殻を、縫合線に沿って門歯で削り、殻を2つに割って中身を食べるのです。殻を割る作業には結構時間がかかるので、ニホンリスは周囲が見渡せる横枝の上や、地面なら切り株や盛り上がった根の上など、少し見晴らしの良い場所で殻を割ることが多いです。
付近のカラマツの樹上には、リスの巣がありました。軽井沢ではカラマツの梢近くに、幹に寄り添うように小枝で作られた球状の巣がよく見つかります。まん中から空が見えちゃってますが、修繕が必要そうですね。この日は斜面を走り去るニホンリスの姿も見ることができました。
木の幹に、鋭いもので傷付けた痕がいくつも残されていました。ニホンジカのオスが、角の先で付けた傷です。シカの角は毎年生え替わりますが、新しい角が完成すると、木の幹に角を擦り付けることで表皮を剥がし、角の表面がツルツルになるまで磨き上げます。男の身だしなみでしょうかね。また、マーキングの意味もあると言われています。
視線を地面に落として歩いていると、動物の糞も見つかります。黒豆のようなコロコロとした糞は、ニホンジカやニホンカモシカの糞です。ポロポロと数粒ずつ落としながら歩いているのは、たぶんニホンジカ。
1ヶ所にまとまってたくさん落ちていたら、立ち止まって少し腰を落として排泄することが多い、ニホンカモシカの糞である可能性が高いです。
大きな糞の塊がありました。これはツキノワグマの糞です。細かく咀嚼された粒々からなるこの糞は、秋にここの森でどんぐりを食べたものでしょう。
こんな感じで、野生動物の痕跡を探しながら森の中を徘徊する「けもの道ウォーキング」は、以下のような詳細です。
開催期間:12月1日〜3月31日(一部、除外日あり)
開催時間:13:00出発16:00まで
料 金:大人1名 6,000円(税込)
定 員:7名
申し込み:WEBから要予約 → 「けもの道ウォーキングの紹介ページ」
これから雪が積もるようになると、雪の上の足跡も観察できるようになりますよ。ご参加お待ちしてます!
大塚
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