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野鳥調査情報(2024年12月19日)

2024年12月19日の軽井沢野鳥の森は、前夜に降った雪で、うっすらと雪化粧していました。小瀬林道には、雪をかぶった野鳥の古巣がありましたよ。鉋屑(かんなくず)のようなオニヒョウタンボクの樹皮を外装に利用したこの古巣は、おそらくヒヨドリのものでしょう。薄く剥がれるオニヒョウタンボクの樹皮は、ヒヨドリ以外にもメジロやニホンリス、ヤマネなどが巣材に利用しています。一応、環境省のレッドリストでは絶滅危惧Ⅱ類、長野県では準絶滅危惧種に指定されている植物ですが、彼らにはそんなこと関係ありません。とても使いやすい、大人気の建材なのです。

 

12月19日のどんぐり池

 

さて、久しぶりの雪景色の中で実施した鳥類調査ですが、森はとても静かでした。確認できた野鳥は以下の通りです。

 

フクロウ、コゲラ、アカゲラ、アオゲラ、カケス(声)、コガラ、ヒガラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、エナガ、ゴジュウカラ、キバシリ(声)、シロハラ(声)、ツグミ、ルリビタキ、カワラヒワ(声)、ベニマシコ(声)、イカル(声)、ホオジロ(声)、計19種類

 

久しぶりにフクロウに出会いました。アカゲラ休憩所の前に広がる草地で、藪の中からシロハラの地鳴きが繰り返し聞こえました。姿を確認しようと近付くと、不意に「ふわっ」とフクロウが飛び出し、無音のまま目の前を横切って森の奥へと消えていったのです。一瞬の出来事で写真も撮れませんでした。するとシロハラも沈黙・・・。フクロウに対する警戒で騒いでいたんですね。そうとわかっていればもっと慎重に近付いたのに・・・。悔やんでも後の祭りです。

草地ではベニマシコの声も響いていました。しばらく待ってみたのですが、茂みの中から出て来てはくれませんでした。

 

キツネの足跡

 

そうそう、野鳥の森の遊歩道に、一直線に連なる動物の足跡が残されていました。キツネの足跡です。この足跡、森の中の遊歩道ほぼすべてに残されていました。雪が止んだ朝一番に、森の中を一通りパトロールしたようです。

 

ウスバフユシャク

 

調査終盤、雲が晴れて薄日が差した頃、ヒラヒラと舞い降りた小さな蛾を見つけました。冬に成虫が活動するフユシャクガ(冬尺蛾)の仲間です。この仲間はメスに翅が無く、オスだけが飛び回ってフェロモンを頼りにメスを探します。氷点下近い気温の中で飛翔するには、体温を維持するために防寒をしっかりするか、低温でも収縮できる特別な仕組みの飛翔筋を持つ必要があり、フユシャクガは後者と言われています。私は枯葉が透けて見えるほどの薄い翅に驚いたのですが、おそらく軽量化されているだろうこの翅も、低温下で飛ぶ秘訣のひとつかもしれませんね。

大塚

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