「ヒッ・ヒッ・ヒッ・ヒッ」「キュルルル」「ブブブ」「ブブブ」
これはキビタキのオスが、なわばり争いをする際によく出す声です。先日、ミソサザイの沢に降りる階段で、激しく争うキビタキのオスたちに出会いました。私の姿など目に入っていないかのように、目の前の枝にとまりましたよ。でもすぐに相手を追いかけて飛び立ちます。

オス同士の睨み合い
2羽ですぐ近くに止まっては、睨み合っています。手前のオスは風切羽が灰色で、まだ若い個体のようです。それでも果敢に年上と見られる(風切羽が黒い)オスに挑みかかります。この直後、2羽は脚で掴み合いながら地面に落ちました。しかしその姿は茂みに遮られて撮影できず・・・悔しい。

キビタキ♂
こちらは風切羽が黒っぽい、より年上と見られるオス。キビタキでは成長とともに、羽毛の黒い部分に混じる灰色の羽毛が減っていきます。ちなみに数年前に撮影したキビタキの若いオスの写真があったので貼っておきます。

キビタキ若♂
後頭部、首の後ろ、風切羽、小翼羽がまだ黒くなっておらず、灰色をしています。これらの灰色の部分がすべて真っ黒になるには、何年かかるのでしょうね。
さて、この激しい争いの最中、近くでキビタキのメスの姿も見かけました。もしかすると、激しい争いの引き金は、そのメスだったのかもしれません。

キビタキ♀
数日後、ほど近い場所でキビタキのメスに出会いました。地面に降りて、巣材に使う枯葉を物色していましたよ。ガイド中には、折れた枯枝の穴に巣材を持ち込むキビタキのメスも観察できました。東南アジアから渡ってきたキビタキたちに、いよいよ子育てのシーズンが始まったようです。
大塚
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