秋になり、軽井沢野鳥の森ではイカリモンガの姿をよく見るようになりました。蛾の仲間ですが、昼間飛び、翅を閉じて止まるので、まるでチョウのように見えます。よく見ると、触角の先が膨らんでいないことで、蛾であることが判ります。昨シーズンはとても数が少なく心配していたのですが、今年は数が多いようで一安心です。
上の写真でイカリモンガが訪れている花は、シラネセンキュウというセリ科の植物です。白い小さな花がテーブル状に集まってたくさん咲いて、大きい虫から小さい虫まで、様々な昆虫が訪れます。

ハナバチの一種
体長1センチ程の小さなハナバチの仲間から・・・。

コアオハナムグリ
重たそうな体のコアオハナムグリ。

ミドリヒョウモン
そして大きな翅をもつミドリヒョウモンまで。

再びイカリモンガ
蜜腺が露出した小さな花をたくさん咲かせることで、様々な昆虫を集めます。横から見ると、たくさんのおしべが林立しているのがわかります。虫が蜜を求めて花から花へと歩き回るうちに、その体に花粉を付けて運んでもらおうという戦略のようです。
花が終わって実ができ始めたシラネセンキュウに、派手な虫を見つけました。

エゾアリガタハネカクシ
「やけど虫」の別名で知られるアオバアリガタハネカクシによく似ていますが、なで肩のように見えるので、後翅が退化して飛べないエゾアリガタハネカクシのようです。どちらにしても、触って体液が付着するとミミズ腫れを起こす危険な虫です。このカラーリングを見たら要注意ですよ。
最後に、9月25日に軽井沢野鳥の森を巡回した際に開花を確認した植物は、以下の通りです。
シラネセンキュウ、ユウガギク、セキヤノアキチョウジ、ヤマゼリ、ヤクシソウ、ヤマシロギク、トネアザミ、アキノキリンソウ、ハナタデ、ゲンノショウコ、ダイコンソウ、キバナアキギリ、ヤブタバコ、ミツバフウロ、ノコンギク、ツリフネソウ、ミヤマタニソバ、ミゾソバ、セイタカトウヒレン、サラシナショウマ、キツリフネ、シラネアザミ、ヒメジョオン(順不同)。
花々に出会える季節も、あとわずかです。
大塚
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