
木の葉の上の三角関係?

軽井沢野鳥の森は気持ちの良い新緑の季節となりました。天気が良いと、森はエゾハルゼミの合唱に包まれ「これぞ高原の初夏」といった感じです。遊歩道を歩くと、あちらこちらで「落とし文」が目に留まります。

落とし文
この季節の和菓子にも同じ名前の商品がありますが、その元ネタになったのが「オトシブミ」という昆虫が作った「揺籃(ゆりかご)」です。オトシブミのメスは、1枚の葉を巻いて中に卵を一粒産みつけます。卵から孵化した幼虫は、ゆりかごの中で葉を食べて成長し、成虫になると穴を開けて出てくるのです。
先日、ミソサザイの沢を歩いていると、チドリノキの若木に不自然にぶらぶらと垂れ下がる葉を見つけました。オトシブミが葉の根元に切れ込みを入れて、葉を巻く準備をしているようです。近付くと、思った通り2匹のキイロヒゲナガオトシブミが葉に止まっていました。

チドリノキの葉に2匹
下の大きくて首が長い個体はオスです。オトシブミの仲間には、オスとメスで異なる姿をしている(性的二型)種類が多くあります。

キイロヒゲナガオトシブミ♂
この非常に長い首は、オス同士が争う際に、向かい合わせに抱き合うようにして、その長さを競い合います。では上の小さい個体が、これから葉を巻こうとしているメスでしょうか?

こちらも♂?
メスにしては、首が細い感じがします。どうやら小柄なオスのようです。なぜなら葉の裏側にもう1匹、こちらがメスだろうという個体が止まっていたのです。

お互いまだ、それぞれの存在に気付いていない模様。これから熾烈な三角関係に発展?
写真の右側にいる2匹がおそらく両方ともオス、左側にいる1匹は頭が丸っこいのでメスです(1枚目のアイキャッチ画像も同じメス)。オトシブミを観察していると、メスが葉を巻こうとしている時にオスが飛来することがよくあります。どうやら何らかの匂いを手がかりにしているようです。それはメスが放出するフェロモンなのか、それとも傷つけられた植物が放出する物質なのかは判りません。
この後どうなるのでしょうか? しばらく見ていましたが3匹とも動きがないので、残念ながら観察を中断せざるを得ませんでした。オトシブミは葉に切れ込みを入れてから、葉が柔らかくなるまで萎らせ、巻き終わって切り落とすまで、下手をすると2時間近くかかるのです。
大塚
こちらのツアーでもオトシブミのゆりかごが落ちているのを見ることができます。ご予約はリンクから。
