ピッキオ前にあるケラ池のほとりに、謎の物体がぶら下がっています。通りかかる人の多くが訝しげに眺めていたり、ガイド中にも「これ何ですか?」と聞かれることが多い物件なのですが、運良くこの姿を見ることができれば、疑問は氷解することでしょう。
「いい毛が見つかったわ♡」
「もうちょっと欲しいわね・・・」
そう、実はこれ、野鳥が巣材を集める様子を観察するために設置している「巣材バー」なのです。羊毛、犬の毛、樹皮、コケがセットしてありますが、持って行くのはほとんど犬の毛。時々羊毛も引っ張っています(写真2枚目)。
やてくるのは、おもにシジュウカラ(上2枚)とヒガラ(表紙と3枚目)です。
「私も持って帰ろうかしら・・・」
シジュウカラやヒガラ、ヤマガラは、メスが巣作りをおこないます。巣箱や穴の中にコケを敷き詰め、中央をくぼませて獣毛を敷いて産座を作ります。このフワフワの毛は、母鳥が卵やヒナを抱いて暖めるベッドになるのですね。
犬の毛の供給元は、ベアドッグやスタッフのペットです。皆さんも、家庭で何か毛が抜ける動物を飼っていたら、ブラッシングで出た抜け毛を野鳥に提供してみてはいかがでしょうか?窓の外に目立つように置いておけば、彼女たちの仕事ぶりを間近に観察できるかもしれませんよ。
大塚