星野温泉トンボの湯の周りににある芝生の広場に、1本のエゴノキがあります。初夏に白い花をたくさん咲かせ、今は実の季節。長い柄が付いた灰色の実や、皮がはじけて種子が丸見えになった実が、いくつも枝にぶら下がっています。
エゴノキの実、左は皮が落ちて種子が丸見え
このエゴの実が大好物の野鳥がいます。「ヤマガラ」です。つがいで頻繁に飛来しては、種子を採ってその場で食べたり、何処かへと運んでいきます。
ヤマガラは種子が大好きな鳥で、秋になるとたくさんの種子を集め、何処かへと隠しています。冬の食料にするために、貯蔵しておくのです。このような習性は貯食行動と呼ばれ、コガラやゴジュウカラ、カケス、ニホンリス等、種子を食べる様々な野鳥や動物で見られます。
ヤマガラの場合、斜面に生えた木の根の影の、土が露出している場所に埋める姿がよく見られます。そのような場所なら、冬でも雪が積もらずに、種子を掘り出せるかもしれませんね。
ヤマガラのエゴノキ行脚は、エゴノキから実がなくなるまで続くでしょう。まだ数日は、エゴノキに通いつめる姿が見られるかもしれません。
大塚