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夏の森のチョウたち

軽井沢は夏の盛りを迎えています。軽井沢野鳥の森では、夏のチョウたちが目立ってきました。フシグロセンノウの花には、ミヤマカラスアゲハのオスが訪れていました(1枚目の写真)。アゲハチョウの仲間は赤い色を識別できると言われています。確かに春にはツツジ、夏にはオニユリやフシグロセンノウのような、赤〜朱色系の花によく来ていますね。これらの花も、アゲハチョウ類の出現時期に合わせて、彼らが好む色の花を咲かせていると考えられます。

 

ミドリヒョウモン

 

シシウドの花では、ミドリヒョウモンが蜜を吸っていました。後翅の裏面が緑色をしたヒョウモンチョウです。シシウドの小さな花ひとつひとつに口吻を伸ばし、花序の上を歩き回ります。そうやって体に花粉が付着し、運ばれていくのでしょう。ヒョウモンチョウの仲間は幼虫時代、スミレ類の葉を食べて成長します。明るい草原を好む種類が多い中で、このミドリヒョウモンは最も暗い環境、森の中で暮らしています。

 

サカハチチョウ「夏型」

 

遊歩道の地面には、サカハチチョウが降り立っていました。漢字の八の字を逆さに書いたような白い帯が特徴的な「夏型」です。1年の間に何度も世代交代するチョウでは、世代によって色や大きさが異なり「季節型」と呼ばれる場合があります。サカハチチョウには「春型」と「夏型」があり、「春型」は6月11日の記事で紹介しています。

 

サカハチチョウの裏面

 

翅を閉じたところを横から撮影してみました。翅の裏はとても複雑な模様で、表面とは違った美しさがあります。地面に口吻を伸ばしているのは、土から水分やミネラル分などを吸っているのでしょう。脚が4本しかないように見えるのは、タテハチョウ科の特徴です。前脚が短く退化しているのです。

 

アカタテハ

 

小瀬林道の地面では、アカタテハが石の表面に口吻を伸ばしていました。う〜ん、そこから何か吸えるのかな? とても活発に飛び回るチョウで、なかなか近づかせてくれませんでした。幼虫はイラクサの仲間の葉を二つ折りにして、その中に隠れています。黒いトゲトゲした「痛そうな」毛虫ですが、実は触るとフニャフニャで痛くありません。

 

ムシヒキアブに捕まったスジグロシロチョウ

 

ヒラヒラと空を舞うチョウは、捕食者にとっては空中で捕まえにくい獲物です。さらに翅を覆う鱗粉は、簡単に剥がれ落ちることで、捕まっても逃れやすくするのです。しかしそれも完璧ではありません。スジグロシロチョウが、ムシヒキアブの仲間に捕食されていました。太くて長い頑丈な脚に絡め取られ、逃げる間もなくアブの口吻で「ブスリ」と刺されてしまったのでしょう。

見た目はモンシロチョウによく似ていますが、森の中で見かけるのはほとんどがスジグロシロチョウ(とヤマトスジグロシロチョウ)です。モンシロチョウの幼虫がキャベツやアブラナといった栽培種でよく見つかるのに対し、スジグロシロチョウの幼虫はタネツケバナやハタザオなど、野生のアブラナ科植物で見つかります。

大塚