ピッキオビジターセンターから軽井沢野鳥の森に入ってすぐの場所に、星野別荘地側からの湧水が沢に流れ込み、よく野鳥が水浴びに降りる場所があります。朝、遊歩道の巡回でその前を通りかかると・・・。

なんか白い
目に入った瞬間は霜柱かと思ったのですが、違和感を感じて近づくと、たくさんの羽毛が散っているのが判りました。野鳥が何者かに襲われた痕のようです。

大量の羽毛
さらに羽毛をよく見ると、ほとんどが体をおおう羽毛です。小鳥にしては大きく、ハトやカモ程度の大きさがありそうです。羽軸が綺麗に残っているので、哺乳類に噛みちぎられた様子ではありません。だとすると、タカの仲間に捕まって、羽毛を引き抜かれた可能性が高そうです。

落ちているのはほとんどが体をおおう羽毛
羽毛の先端がうっすらとベージュ色に見えます。体がベージュ色で、やや大きめの野鳥。それだけでは見当がつかないので、さらに他の羽毛を捜します。すると被害者を特定する決定的な証拠が見つかりました。

このブルーは!!
青いグラデーションが縞模様のように連なる小さな羽毛。そう、これはカケスの翼にある青い部分の羽毛です。確かにカケスなら、体もベージュ色です。哀れな被害者はカケスだったのです。
周囲をもう少し捜しましたが、羽毛以外の亡骸は、脚やくちばしなども含めて見つかりませんでした。どうやら犯人は、ここでは羽毛を引き抜いただけで、カケスの亡骸を別の場所に運んで食べたようです。
森を歩いていると、時々このようにたくさんの羽毛が散っているのを見つけます。野鳥が天敵に襲われたり食べられたりする場面に出会うことは滅多にないですが、森の中では日々、命を懸けたやり取りが繰り広げられているのです。

大塚
冬の軽井沢野鳥の森をご案内する「野鳥の森ネイチャーウォッチング」は朝10時出発です。開催日の確認やご予約はこちらから→「野鳥の森ネイチャーウォッチング」